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生活習慣病


 今日は生活習慣病についてお話したいと思います。今更という感じがしないでもないですが、やはり日本人の死因の二人に一人が関係するとなれば触れないわけにはいきません。最近ではテレビや新聞でも盛んに取り上げられているので重要性については皆さん充分ご存知と思われます。
 もともと太古の昔、まだ人類が誕生する前、というとまだ地球上のほとんどが海で覆われていた時代がありました。天変地異を繰り返し、陸地ができ徐々に陸上にも生物らしきものが登場しました。それから長い年月を経て哺乳動物が誕生してきます。もともと海で育っていた生物は周囲が濃い塩分を含んだ水なので、細胞内外のNa、CL、 HCO3、すなわち塩分、水分の配分を心配する必要はなかったのですが、陸上で生活するようになってからはそうはいきません。この調節をになうようになったのが腎臓の近位尿細管と糸球体輸入細動脈に存在するレニンーアンギオテンシン系という装置です。この機能によって細胞内外の酸塩基平衡の調節すなわち体液のバランスを維持できるようになったのです。したがって、陸上で長い年月生物が生きていくことそのものにもともと無理があるわけで、腎動脈をはじめ全身の細動脈は自然に動脈硬化が進み次第に血圧も上がっていきます。
 生活習慣病には高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症等がありますが、どれも動脈硬化と関係します。動脈硬化がなければ、人類はどこまで寿命を延ばせるか、130歳、140歳と言っている科学者もいます。つきつめれば血管の年齢がその人の寿命です。健康のためにはいつまでも血管を若々しく保つことが必要です。もともと体質的に血圧が高い、家族性に高脂血症があるというような人は無理をせずに早めに治療することをお勧めします。生活習慣病を放置して高齢になってめまい、ふらつき、頭痛などが出現してあわててくすりをのみはじめても、それまでの動脈硬化が簡単に消えるわけではありません。脳卒中、心筋梗塞は動脈硬化のなれの果てです。血圧、血糖、コレステロールは10年よりも20年、20年よりも30年、長い年月できるだけ低めにコントロールできていることが大切です。そのためには食事制限、適度な有酸素運動を常日頃から心がけることです。
 今世紀末の日本人の平均寿命は100歳をこえます。その時の医療費がいかほどか想像できませんが、周囲に迷惑をかけぬよう、自分で身の回りのことができ、寝たきりにならないよう一人一人が気を付けていくしかないのです。
 たばこの害はここで取り上げるまでもありません。血管のダメージは計り知れません。これも吸った本数と年月に関係します。止めてからの月日はあまり問題ではありません。肥満も同様です。また機会があったらお話します。


2004.10.20. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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