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アレルギーQ&A

Q1.子供に卵アレルギーがあります。いつまで制限したらいいですか。

A1.子供の食物アレルギーは90%程度が緩解していくといわれています。アナフィラキシーショックなどを起こしたことのある子供であれば卵を食べさせるのは親御さんとしては大変心配です。したがって過度に神経質になって食べさせないようにしている家庭が多いようです。しかし、最近ではこの過度の食物制限がアレルギー体質を助長しているという研究も進んでいます。

Q2.ウサギを飼いはじめて半年になりますが、最近鼻水が止まりません。近くの先生にみてもらったらウサギのIgE抗体が陽性でした。飼うのをやめるように言われました。ウサギは手放したくありません。どうしたらいいでしょうか。

A2.アレルギーには代表的な疾患、おもにアトピー、アレルギー性鼻炎、結膜炎、喘息などがあります。それぞれに治療指針(ガイドライン)があり、これに沿って治療を進めていけば問題ありません。この患者さんはウサギを飼うのをやめることが治療ではありません。アレルギー性鼻炎の治療をすればいいのです。

Q3.最近鼻水やくしゃみ、微熱がつづき花粉症なのか風邪なのかよくわかりません。

A3.風邪はいわゆる急性上気道炎で咽頭痛、発熱、湿性咳嗽が基本です。しかし花粉症の初期症状でも同様の症状や、全身倦怠感、頭痛などが起こることがあります。答えは簡単で、抗アレルギー剤をつかって症状がおさまれば花粉症です。

Q4.アレルギーの診断にはどのようなものがありますか。

A4.一般的に簡単に検査できるものとしては血液のIgE抗体があります。もっと敏感なものに実際の抗原をたらし皮膚に傷をつけるプリックテストがあります。しかしほとんどが臨床症状で診断できます。スギ花粉症の時期に鼻水が突然出ておさまらなければ抗アレルギー剤をつかって治療診断をします。免疫療法(減感作療法)などの根本的な治療をするのであれば前もってプリックテストなどをしておかなければ危険です。

Q5.金属アレルギーはどうやって診断するのですか。

A5.これも同じです。ネックレスの金属で皮膚に膨疹がでればそれで診断は確定です。詳しい検査をしている施設もありますが一般にクリニックでできる検査ではありません。

Q6.アトピー性皮膚炎の治療をしていますがいつまで続けるのですか。

A6.これも治療指針に書いてあります。およそ3か月程度症状が落ち着いていれば徐々に減量していきます。しかし、アトピー性皮膚炎の治療は他のアレルギー疾患と同じでコントロールが主体です。あせらないで徐々に行っていくことが寛容です。

Q7.減感作療法がいいのはわかりますが来る時間がありません。何か方法がありますか。

A7.検査データと実際の症状とは解離があります。IgE抗体が多くても意外と短期間で終わってしまう人もいれば逆にIgE抗体が少なくても長期間かかる人もいます。そのために最初にアレルゲン閾値テストをします。およそ1週間に1、2度通える人が多いですが実際に無理な人もいます。当院では2年越し、3年越しでしている人もいます。減感作療法は必ずおわります。

Q8.喘息にステロイドがいいのはわかりますが副作用が心配です。ずっと使い続けていて大丈夫ですか。

A8.大丈夫です。喘息は病理学的には「慢性上皮剥離性好酸球性気管支炎」です。この気道粘膜下の好酸球を退散させるためにはどうしても吸入ステロイドが必要です。とくに喘息の初期につかうとリモデリングも起こさずにすみます。小児期には確かに成長に問題があるとのデータもありますが、発作が起こればこれの数十倍のステロイドを一度に点滴するわけです。成長に問題があるのはステロイドではなくて喘息のコントロールができないことです。

Q9.花粉症の薬をのんでいます。妊娠に影響はないのですか。

A9.影響はあります。現在使われている第2世代の抗アレルギー剤で実際、催奇形性などの報告はありません。しかしできるだけ避けるほうがいいです。花粉症があるとわかっていれば早期に点鼻、点眼を行っておきます。日本人はどういうわけか点鼻、点眼が苦手です。どうしても飲んで治したいようです。以外に有効なので試してみてください。ただ症状が改善したからといってやめないことです。これでもだめな場合はできるだけ妊娠に影響の少ない抗アレルギー剤を使います。しかしできるだけ花粉症飛散時期に妊娠は避けるほうがいいです。
 
                              2012.04.03.

Q10.最近花粉症飛散時期に咳が出るようになりました。昼間はほとんど出ず夜間にひどいです。

A10.これがいわゆるアレルルギーマーチです。2、3週間から2か月程度続く咳を遷延性咳嗽といいます。基礎に花粉症やアトピーがありこのように数年前から花粉症飛散時期に咳が続く人の多くがアトピー咳嗽(アレルギー性咳嗽)です。咳止めや去痰剤をつかってもまた再発します。これはどこかでマーチを止めなければなりません。ここで治療指針を振り返ります。花粉症の治療、アトピーの治療をきちんとします。そのうえで吸入ステロイドを加えます。症状は数日で消失します。しかし気道粘膜下の好酸球は完全に消失していません。およそ3週間治療をつづけて減量していきます。

Q11.喘息の発作についついサルタノール、メプチンなどのβ2刺激薬を使ってしまいます。ステロイド吸入をつかってもおさまりません。

A11.最近以前の長時間作用型のβ2刺激薬ではなくて短時間作用型のβ2刺激薬の入ったステロイド吸入薬が出ています。サルタノール、メプチンを使用するならこちらのほうがおすすめです。

Q12.慢性蕁麻疹で抗アレルギー剤をのみつづけているのですがいつまで続ければいいのでしょうか。

A12.これは難しい質問です。しかしこれも治療指針に従います。約3か月程度安定している期間があれば減量に持ち込めます。徐々に徐々にあせらないで減量します。症状がぶり返すようであればまた薬を再開します。あきらめないでこれを繰り返します。

Q13.最近花粉症の飛散時期に症状が出なくなりました。どうしてですか。

A13.20年来の花粉症が突然消えてしまう人がたしかにいます。およそ100人から1000人に一人と思われます。これはよくわかっていません。想像するにIgG4抗体(遮断抗体)ができ減感作が行われている可能性があります。しかしこれはとても珍しい現症です。症状がなくなってきたと思っているところに他のアレルギー症状が出現することも多々あります。くれぐれもアレルギーマーチに用心が必要です。

Q14.毎年スギ花粉症がひどいので外に出ないようにして我慢しています。薬も副作用が心配で飲みたくありません。

A14.花粉症は我慢しても意味がありません。毎年スギのIgE抗体が増え重症化するだけです。その他のアレルギー性疾患を併発する可能性もあり感心しません。きちんと治療することをお勧めします。

Q15.数年前から頭痛薬をのむと唇やのどが腫れてきたり、顔面が紅潮したりします。

A15.これはアスピリン過敏症です。患者さんのほとんどが今までアレルギーらしい症状が出たことがないといわれます。しかしよく聞いてみると激辛の中華料理を毎日たべていた、そういえば数年前から鼻水がときどきでる、脳梗塞でバファリン81を飲んでいるなど誘因となるものが見つかることが多々あります。体質は90%がほぼ一生にわたって引き継ぎます。花粉症のように典型的な1型アレルギーではありませんのでこれは解熱鎮痛剤 激辛カレー 防腐剤 においの強い香辛料など避けるしかありません。

Q16.ピーナッツアレルギーがあります。他にもありそうなので検査をおねがいできますか。

A16.検査はIgE抗体を測定するのが一般的です。しかし、その他の食物のアレルギーを探しだして犯人をつきとめる姿勢は感心しません。A1にも述べましたが、最近アレルギー検査が簡単にできるようになり厳格な食物アレルギー除去を始める人が増えています。しかしこれがまったく摂食できない体質を作ることもあります。アナフィラキシーショックなどの激しい反応を経験したことがなければ、できるだけ気を付ける程度の対応でいいような気がします。

Q17.小児は何歳から見てもらえますか。

A17.当院は内科クリニックです。私はアレルギー専門医ですが内科全般の疾患に対応します。また小児特有の疾患を勉強しているわけではありません。小児全般の疾患をみる力はなく小児のアレルギーだけをみるのは問題があります。アレルギー疾患治療はほとんどガイドライン化されており、治療は世界中どこでもほぼ統一されています。小児も同じです。小児アレルギー専門医がいます。

                                2012.4.4.

Q18.アトピー咳嗽(アレルギー性咳嗽)は減感作をしていればおさまりますか。

A18.おさまりません。何度もこれまでお話していますが、アレルチー疾患はマーチして行くことが多いです。しかし個々の疾患の治療は独立してほぼ治療指針が決まっています。減感作療法は確かに1型アレルギーの根本治療ですが、同時にアトピー咳嗽(アレルギー性咳嗽)の治療が必要です。

Q19.減感作療法はいつまで続ければいいですか。

A19.減感作療法は続ければつづけるほど効果は持続します。ただ漫然とする必要はありません。5年続けた人と10年続けた人の差はないというデータがあります。維持量に達して2年から3年程度でいいと思います。当院で長く続けている人は症状がなく調子がいいので続けているだけでおそらくやめても結果は同じとおもいます。

Q20.減感作療法をやめてしばらくなります。数年調子が良かったのですがまた最近症状が出てきました。また始めることができますか。

A20.できます。最初からする必要はありません。維持量をしばらく続けていただければ症状はなくなります。

Q21.食物アレルギーで何度もアナフィラキシーショックをおこしエピペンを携帯しています。打つタイミングがわかりません。

A21.蕁麻疹、顔面紅潮、喉頭浮腫、動悸、呼吸困難など全身症状が出現したら打つのは当然ですが、その前にうってもかまいません。アナフィラキシーは数分のできごとなので打つタイミングを逸すると効果はありません。蜂毒などのアナフィラキシーショックで亡くなる人は現在でも毎年全国で40人から50人程度います。そのうち30分以内にエピペンを使用して亡くなった人はありません。要はタイミングを逸しないことです。仮にそれがアナフィラキシーの前兆でなかったにしても多少血圧、脈拍が上がるだけでほとんど問題はありません。これまでに重大事象はありません。打たないほうがもっと危険です。

Q22.昼食後に学校でクラブ活動がありますが、最近途中で突然呼吸困難になることがあります。

A22.これは食餌性運動誘発アナフィラキシーといい、食物アレルギーがなくても発症します。原因はまだよくわかっていません。しかし、食後1時間から2時間安静にしてから運動すれば問題ありません。
          
 2012.4.7. 

Q23.エピペンはいつまで携帯しておく必要がありますか。

A23.エピペンを携帯している人は激しいアナフィラキシーショックの経験者です。アナフィラキシーはいつ出現するかわかりません。抗アレルギー剤もステロイドも全く役に立ちません。予防の方法はエピペンしかなく逆に言えばエピペンさえ持っていれば他になにも薬はいらないわけです。

Q24.花粉症にシソの葉がいいときいたことがありますが。

A24.この手の質問はずいぶんうけます。これはアトピービジネスといい、ある統計では日本市場で600億から700億円といわれています。アレルギー疾患の治療法はほぼ確立されておりこれにのっとっていく必要があります。症状は軽減されるかもしれませんが花粉症はなおりません。

Q25.舌下減感作療法(舌下免疫療法)について教えてください。

A25.舌下免疫療法は現在日本医大耳鼻科その他の大学病院で研究が進められており今後1,2年で保険診療が可能になると思われます。家庭でできるため便利です。ただスギ花粉症だけが対象でその他の花粉症、ハウスダスト ダニなどの減感作はできません。現在使われている抗原を使ってするため薬価が問題ですがまだ決まっていません。ヨーロッパではこれが主流で盛んに行われています。

Q26.喘息で吸入ステロイドを使っていますが、風邪をひいたときはやめたほうがいいのでしょうか。

A26.喘息は圧倒的に風邪を契機に悪くなります。風邪薬をのむために吸入ステロイドをやめる人がいますが、喘息は増悪します。風邪をひいたらステロイド吸入はむしろ増やします。

Q27.アトピー性皮膚炎にステロイドを使わずに漢方を使っています。

A27.1991年にテレビの報道番組でステロイドバッシングが10日間にわたって行われました。ステロイドの副作用をこと細かに説明した内容でした。この影響は大きくいまだにアレルギーにステロイドを使いたがらない患者さんがいます。この後アトピービジネスが流行し始めました。アトピーに効く漢方はステロイドではないにしても作用としてはステロイド様作用をするものです。緩やかに効くために勘違いする人が多いようです。

 2012.4.9.

Q28.スギ花粉を薄めて自分で煎じてのんで花粉症対策しています。近所でもしています。とても調子がいいです。

A28.これは危険です。一昨年、花粉症カプセルをインターネットで購入し、のんだ30歳代の女性がショックでなくなりました。こんな民間療法があることすら知りませんでした。すぐにやめてください。

Q29.ダニ対策の仕方について教えてください。

A29.ダニは日本では梅雨の時期から夏にかけてたたみ、布団、絨毯等で繁殖していきます。繁殖の最適条件は温度 24℃ 湿度 70%です。これが秋から冬にかけて 気温10℃ 湿度 40%を切ると死んで死骸となります。これがいわゆるハウスダスト(HD 家塵)です。これに感作をうけてさまざまなアレルギー疾患を引き起こします。対策はまめに掃除機をかけて吸い取ることです。寝室のベッドは最低でも40cm底上げします。下には何も置かず通気をよくします。ダニは布団の繊維を通り抜けるのでできれば布団全体をダニの出入りしないシーツで覆います。あまり古い布団やシーツは新しいものに取り換えます。

Q30.減感作療法をするとIgE抗体は下がるのでしょうか。

A30.一般に減感作療法を始めて維持期に到達するまで、またその後もしばらく上昇期があります。その後徐々にIgE抗体は減少に転じます。

Q31.最近トマトやリンゴ、モモ、メロンなどを食べると口唇がはれたりのどがイガイガしたりします。

A31.これは口腔アレルギー症候群(OAS)です。花粉症の40%程度に合併します。これらの果物と花粉の抗原とに交叉性があるからです。スギ花粉にはトマト、ブタクサ、ヨモギ花粉にはメロン、スイカ、セロリ、ニンジン、カモガヤやオオアワガエリのようなイネ科の花粉にはメロン、スイカ、キウイといったようにそれぞれに共通のアレルゲンコンポーネント(タンパク質)があります。やはり花粉症対策をしっかりしておくことが大切です。

Q32.減感作療法中に妊娠した場合、減感作は中止するのですか。

A32.減感作を中止する必要はありません。妊娠継続に何の支障もありません。催奇形性などの報告もありません。アレルギー体質が引き継がれないためにもかえって減感作は継続していたほうがいいです。

                               2012.4.10.

Q33.最近風邪をひくと咳だけが長引きます。何かアレルギーと関係があるのでしょうか。

A33.もし何か1型アレルギーの素因がもともとあればほとんどがアトピー咳嗽といっていいと思います。アレルギー性鼻炎や蕁麻疹などの既往がなく成人での突然の発症は咳喘息が圧倒的に多いです。どちらも吸入ステロイドが第一選択です。

Q34.吸入ステロイドを徐々に減量するのはわかりますがどうやって減量していけばいいかわかりません。

A34.ガイドラインにはステップアップ、ステップダウンのやり方が細かに記載してありますが、なかなかわかりにくいです。一般に病気はなんでもそうですが、症状がおさまれば薬はやめてしまいます。それでいいのですが、気管支喘息などの慢性疾患は症状が治まった状態が気道の炎症が治まった状態とはいえないのです。タイムラグがあっておよそ3週間が目安です。簡単にいえば症状がおさまってからが本当の治療でこの期間が3週間程度と考えられます。この3週間に症状が悪化しなければ吸入ステロイドを半分に減量します。それからおよそ2,3週間おきに半分に減量していきます。増悪すれば今度は倍に増量します。これを繰り返します。およそ3か月を1クールと考えます。

                                 12.4.17.

Q35.リモデリングが起こってしまった喘息はもうもとに戻らないのでしょうか。

A35.リモデリングは病理学的診断で、喘息の患者さんに実際気管支鏡をおこなって診断することはまずありません。気道過敏性検査、呼吸抵抗検査、肺機能など他に様々な診断方法はありますが、確定的ではありません。吸入ステロイド、ロイコトリエン拮抗薬、キサンチン製剤、抗アレルギー剤、βstimulantなどfull doseでもコントロールが難しいような場合はかなりリモデリングが進んでいると想像できます。しかし、こういう場合でも改善の近道はガイドラインに従って少しずつステップダウンすることです。必ず希望の光が見えてきます。

                               2012.4.20.

Q36.花粉症の薬を飲んでいますが風邪をひいてしまいました。病院にいったら風邪薬をやめるようにいわれました。

A36.薬をやめる必要はありません。確かに風邪薬の中に抗ヒスタミン薬が入っている場合があります。同時に飲むとねむくなって仕事や車の運転に支障が出る場合があります。しかしアレルギー性鼻炎の患者さんが風邪をひくと鼻炎の症状も重くなります。それは風邪ウイルス、菌に対応するリンパ球、好中球とアレルギー性鼻炎に対応する好酸球、肥満細胞が相互に作用しあって炎症がひどくなるからです。アレルギー性鼻炎の治療を中断するのはよくありません。

Q37.喘息日誌はどのような意味があるのでしょうか。

A37.喘息のコントロールをガイドラインに従ってステップアップ、ステップダウンする方法をいままで何度もお話ししてきました。しかしこれは数週間単位で、自分で診断しなくてはなりません。2週間に一度病院に受診できるような患者さんはドクターが診断すればいいのですが、そんな時間的余裕のある人はいません。喘息日誌はこれを自動的にすることが可能なのです。喘息が増悪するのは春や秋、季節の変わり目、また風邪が引き金になります。その後ひどくなってから吸入ステロイドを増やす方法だと治療が遅れます。自分で自覚する前にピークフローメーターが3,4日前から低下しています。このタイミングを逃さないようにするのです。これには喘息日誌が一番です。きめの細かい喘息日誌が各メーカーからでていますが、要はピークフローメーターの変化が一番大切です。一日1回ピークフローメーターを記録しておくと喘息治療が簡易になります。

                               2012.4.23. 

Q38.プロトピック軟膏を毎日顔に塗るのが心配です。

A38.プロトピック軟膏は分子量が大きいため正常な皮膚には吸収されません。毎日塗り続けても心配ありません。これはステロイド軟膏との大きな違いです。よくなれば問題の起こりそうな皮膚だけに塗り徐々に減量していきます。

Q39.家庭用油が種類によってアレルギーによくないと聞きましたが。

A39.最近生活習慣病の予防に一価不飽和脂肪酸のオレイン酸、多価不飽和脂肪酸のリノール酸をとる家庭が増えています。これらはアラキドン酸に代謝されアレルギーを引き起こすプロスタグランジンやロイコトリエンの前駆体となります。したがってあまりとりすぎはよくなさそうですが、そのようなことはガイドラインには書いてありません。アレルギーだけみていると確かに悪者ですが体にとっては必要不可欠なものです。リノレン酸(シソ油、菜種:えごま油)を使っていてもそれぞれのアレルギー疾患のコントロールがきちんとできていなければ意味がありません。
 
Q40.茶のしずく石鹸のアナフィラキシーについて教えて下さい。

A40.茶のしずく石鹸は加水分解小麦由来のグルパール19Sというたんぱく質が原因です。発症者は2月末時点で1567人、呼吸困難や救急搬送で入院が必要だった重症者は172人と厚生労働省は発表しています。正常な粘膜からの侵入は考えにくいので球結膜や鼻粘膜などからの侵入ではないかと推測します。それにしても多い数です。グルパール19Sは水溶性で天然には存在しません。通常の小麦アレルギーの患者さんはω5グリアジンというたんぱく質に対する特異的IgE抗体が高いですが、茶のしずく石鹸によって発症したアレルギーはこれが低いのが特徴です。
   また小麦に対する食物アレルギーを発症するのも特徴です。一時期はやった地中海ヨーグルトでは大問題になりませんでしたが、やはり毎日毎日食べ続けたためにアレルギーを併発し乳製品そのものを食べられなくなった患者さんがたくさんいました。思うにアレルギーを防ぐ方法はこれといった対策はありません。ただ毎日毎日同じものを食べたり、使ったりするのを控えるのはいいかもしれません。

                               2012.4.25.

Q41.CPAPをしていますが花粉症がひどくてできません。

A41.花粉症は毎年やってくる厄介な病気です。特にCPAPをしている人にとっては大変な時期になります。ことしの花粉はあまりたいしたことがないという予報で軽く見ているとひどい目に合う場合もあり、逆の場合もあります。IgE抗体価が下がってくるわけではありませんのでやはり抗アレルギー剤、点鼻、点眼の予防投与と継続が一番と思います。症状がでてからではなかなか厳しいものがあります。しっかりできていればCPAPも快適に続けられます。

                               2012.4.27.

Q42.卵の減感作を家庭でしたいのですができますか。

A42.現在食物アレルギーの減感作は限られた施設でしか行われておりません。それはアナフィラキシーなどの対応ができないためです。通常は入院してドクターの管理下で行います。家庭でするのは大変危険です。

Q43.最近花粉症がひどくなってきました。なにか内科的に問題があるのでしょうか。

A43.これもよくある質問です。花粉症は免疫の過剰な反応でおこります。産生される免疫担当細胞は最初骨髄で産生されます。内科的に問題があれば免疫の過剰な反応は起こりません。仕事の疲れ、睡眠不足、ストレスなどは引き金にはなります。これは交感神経が過緊張になるからです。アレルギー疾患の治療全般にいえることですが、前もって十分な準備をしておくことが肝要です。

Q44.よく登山に出かけます。蜂毒のアナフィラキシーを起こしたことがあります。エピペンは携帯していますが心配です。蜂毒の減感作はできますか。65歳 男性

A44.スズメバチやアシナガバチなどの蜂毒のアナフィラキシーで亡くなる人が今でも毎年10人から20人前後います。ほとんどが林業、養蜂業に従事している人たちです。現在エピペンの携帯が義務づけられていています。日常的に蜂と接する人のために最近では蜂毒の減感作もできるようになりました。しかし、施設はかぎられており一般のクリニックでは行っておりません。アレルギー友の会(03−3634−0865)、厚生労働省に問い合わせると行っている施設を教えてくれます。

Q45.最近何を食べても局所、全身に膨疹がでます。他のクリニックでIgE抗体を調べてもらったら調べたものすべてが陽性でした。なにも食べられません。過去にアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息などありました。不安でいっぱいです。どうしたらいいですか。またよくなるのでしょうか。

A45.当院にIgE抗体の結果を持参して悲痛な顔で来られる人が年々増えています。やはりアレルギー疾患は確実に増加しているように思われます。確かにIgE抗体の結果を見せてもらうと、ダニ、HD(ハウスダスト)、スギ、ヒノキ、ブタクサ、大豆、小麦、卵白、牛乳などはいうにおよばずリンゴ、スイカ、メロン、豚肉、牛肉、カニ、エビなどすべてに陽性の人がいます。アトピー性皮膚炎もあり、喘息、蕁麻疹、花粉症などいろいろなアレルギー症状を繰り返している人です。これから先の生活を考えると不安で仕方がないのがよくわかります。しかし案ずることは何もありません。治療はガイドラインにしたがってそれぞれの治療を行います。当然投薬は増えますが症状が安定する時期が必ずやってきます。安定した時期をみてできる減感作をすべて行います。自然と薬もいらなくなります。私の一番の心配はこういう人がアトピービジネスにはまってしまうことです。薬がふえつづけて大丈夫かと不安になるようです。しかしこれは結果的には遠回りになります。ガイドラインには確実に早くよくなる方法しか書いてありません。何の心配もいりません。

Q46.花粉症にステロイドの内服、筋注はどうしてもだめなのでしょうか。

A46.ダメです。ステロイドの内服をしなくてはいけない状態は十分な治療が行われていない証拠です。私はこれまで花粉症にステロイドの内服を出したことは一度もありません。抗アレルギー剤、ロイコトリエン拮抗薬、点鼻薬などで十分治療可能です。ステロイドの内服、筋注をすると一時症状は劇的に改善しますが翌年かならず花粉症は重症化します。

2012.5.8.

Q47.アトピー性皮膚炎、いろいろな食物のアレルギーがあります。食物制限をしていればIgE抗体は下がってくるのでしょうか。

A47.食物制限をしていれば特異的IgE抗体が下がってくるわけではありません。アトピー性皮膚炎の治療をしっかりしていればIgE抗体が下がってきます。

Q48.先日頭痛がひどくロキソニン(鎮痛剤)をのんだら顔面がむくみ、激しく嘔吐しました。またさらに頭痛がひどくなりました。いままで何度もロキソニンをのんでいますがこんなことはありませんでした。

A48.アスピリン過敏症の可能性があります。もともとの頭痛がロキソニンの効かない片頭痛だった可能性もあります。また嘔吐はロキソニンによるNAIDS潰瘍の可能性もあります。それぞれ検査が必要ですが、いずれにしてもしばらくの間ロキソニンの使用は控えるべきです。

2012.5.14.

Q49.アトピー性皮膚炎にステロイド軟膏がいいのはわかりますが薬局で薄く塗るように言われます。具体的にどう塗ったらいいのでしょうか。

A49.これもガイドラインに書いてあります。1FTU(finger tip unit)は5mm径のチューブで指の先から末節骨の第一関節まで載る量で、およそ0.5gです。これで成人の両手掌全体をカバーする量になります。全身にぬると50FTUで25gです。この量をきちんと守っていけば副作用の心配はありません。しかし、ほとんどの人がこれ以下の量を使っているようです。量が絶対的に不足しています。
                             
Q50.症状が改善すれば吸入ステロイドを徐々に減量するのはわかりますが具体的にはどうするのでしょうか。

A50.症状が改善すれば吸入ステロイドは減量していきますが、まだ気道の炎症はおさまっていません。そのまま3週間程度続けます。それで症状が増悪しなければ今度は半分に減量します。具体的には朝、就寝前に2puffずつしていたものを就寝前2puffのみ、あるいは朝1puff,就寝前1puffにします。これで3週間増悪がなければ就寝前1puffに減量します。これで3週間増悪がなければ中止しても構いません。早期でリモデリングの心配がなければ再燃はだいぶ先の話になります。ほとんどの人がここまで吸入ステロイドを続けられずにいます。これが喘息の増悪の原因の1つです。

Q51.ステロイド吸入をすると喉がイガイガしかえって咳が出るような気がします。

A51.現在使われているステロイド吸入の粒子径は小さなもので2μmm、大きなもので4μmmです。肺の末端の肺胞の大きさが2μmmですので気管支喘息の治療にはどれをつかっても問題ありません。ただステロイドを吸入するので口腔内常在菌の増殖、カンジダ症などを発症する場合があります。ただこれは難治性喘息で20年、30年にわたって大量のステロイドを使い続けた場合のみに起こりうることで通常の使用では問題ありません。私の日常診療ではイガイガという感じはやや軽症の患者さんに多いような気がします。また気になってよくウガイをしたり飴をなめたりする人に多いような気がします。現在では肺胞で代謝されるステロイド吸入薬も発売されており今後も改良されていくものと思われます。

Q52.小児期からアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、アレルギー性鼻炎があり治らないまま花粉症、蕁麻疹、喘息とつぎからつぎに症状がつづき現在でもさまざまな薬をつかっています。会社も転々とし長続きしません。現在診療内科にもかよっていて抗うつ薬、不眠症治療薬ももらっています。このまま改善しないのではないか、薬をのみつづけて大丈夫かと不安になります。

A52.この患者さんはI型アレルギーによるアレルギーマーチと思われます。ただすべてのアレルギー疾患が一気に訪れることはまずありません。それは通常骨髄その他で産生される免疫担当細胞数に限りがあるからです。まずそれぞれの治療が適切に行われているかが問題です。アトピー性皮膚炎であれば十分量のステロイド軟膏が使われているか、喘息であれば十分量のステロイド吸入が行われているか。アレルギー性鼻炎であれば十分量のステロイド点鼻が行われているかチェックします。1つ1つ階段を上っていく感じです。現在アレルギー疾患とステロイドは切っても切れない関係にあります。最善の方法がガイドラインに書いてあります。A45にも書きましたが、安定した時期をみて減感作をします。必ずその時期がやってきます。焦らずに乗り切っていきます。抗うつ薬の使用についてはなんの問題もありません。しっかり治療してもらいます。これも途中で投げ出さないことです。必ずよくなる時期がやってきます。

                               2012.5.22.

Q53.たまたま内科でスギのIgE抗体が高いことを指摘されました。一般にいわれている花粉症の症状はないのですが、治療の必要があるのでしょうか。 

A53.これもよくある質問です。最近IgE抗体を測るクリニックが増えてきました。ある大学で学生100人にスギのIgE抗体を測定したら90%が陽性でそのうち症状がある学生は30%だったという報告があります。IgEが高いからといってスギ花粉症とはいえないのです。ただ将来発症する可能性はあります。

 2012.6.4.

Q54.家を新築して引っ越ししました。頭痛がしたり目がチカチカしたり鼻水がでたりします。以前にはなかった症状です。

A54.シックハウス症候群です。原因は今のところ不明です。先月埼玉や千葉の浄水場で問題となったホルムアルデヒドや塗料に使われるトルエン、芳香剤に使われるキシレンなどが原因としてあげられます。もともと何かしらのアレルギー疾患を持っている人に発症することが多いようです。予防としては症状を引き起こす物質を避けるのが一番です。換気や活性炭入りのマスクなども有効です。

Q55.後鼻漏にマクロライドという抗生剤をもらっています。いつまで続ければいいのですか。

A55.大きくSBS(副鼻腔気管支症候群)の範疇にふくまれる後鼻漏(鼻水が喉の奥に垂れてくる)にマクロライドの少量投与が有効とわかったのはおよそ30年以上も前のことです。マクロライドの少量投与を続けていくうちにだんだん症状が治まって鼻づまり、咳なども改善してきます。最低でも3か月程度続ける必要があります。罹病期間が長ければ長いほど慎重にやめていきます。抗生剤の副作用を心配して短期間で中止してしまう人が多いのはもったいないことです。一度改善してしまえば減感作療法と同じでもとには戻りにくいです。

Q56.テレビや新聞、雑誌でアレルギー疾患についていろいろ報道されます。何か気を付けることはありますか。

A56.最近医療番組が花盛りでまだまだ増えていきそうな気配です。私たち専門家がみても恐ろしくなるほどです。病気になるとどれだけ大変なんだと思わせる番組ばかりです。病気はならないにこしたことはありませんが、好きでなっている人は一人もいません。面白おかしく報道することそのものが問題のような気がします。アレルギー疾患一つとっても複雑で治りにくい病気ととらえられているようです。個々人によって人生が全く違うように、病気の成り立ちもまったく違います。治療も同じです。あやまった報道がなされないように祈るばかりです。

                                2012.6.5.

Q57.喘息に吸入ステイドが第一選択なのはわかりますが、発作の時にやはりメプチン、サルタノールなどの吸入薬を使ってしまします。

Q57.使ってもなにも問題ありません。発作性呼吸困難にβstimulant、キサンチン製剤等使うのを我慢する必要はありません。ただこうなる前にコントロールが徐々に悪くなっていく過程があります。それを見逃さないことです。たとえば風邪です。風邪をひくと喘息がぶり返すことがあります。また睡眠不足、過労、ストレスでも増悪のきっかけになります。吸入ステロイドを倍量してメプチン、サルタノールなどの気管支拡張薬を使わないでいい状態を維持しておくことが肝要です。

Q58.橋本病(甲状腺疾患)でクスリをのんでいます。花粉症もありますが病気に何か関連がありますか。クスリの飲み合わせなどはありませんか。

A58.橋本病に花粉症などのアレルギー疾患を合併することが多いですが、どうしてかは今のところ不明です。それぞれの治療をしっかりしていれば問題ありません。

                                2012.6.6.

Q59.ステロイド吸入にたくさん種類がありますが、先生方はどうやって使い分けているのでしょうか。

A59.最近では短時間作用型のβ刺激薬が入った吸入ステロイドなどがでてきて使い道が広がりました。要は吸入ステロイドが大切です。きちんとステロイド吸入ができていればあとはデバイスしだいでその患者さんが使いやすいものを選びます。

Q60.カウンター(目盛)のついた気管支拡張薬はわかりやすいのですが、吸入していてまだ中身が入っているのかどうかわかりません。どうやって確認するのですか。

A60.容器からとりだして洗面器に水を浸して入れます。中身があれば容器は立った状態で、なくなれば容器が寝てしまいます。これがいちばんわかりやすい確認方法です。

Q61.咳が続き病院にいったら咳喘息といわれました。β刺激薬をつかっていますが一向に咳が治まらずかえってひどくなった感じです。どうしてですか。

A61.この時期(梅雨時期)咳喘息とアトピー咳嗽の鑑別は難しいものがあります。唯一手がかりになるのがアレルギー疾患の既往です。もともとアトピー性皮膚炎がある、花粉症がある、蕁麻疹があるなどアレルギー疾患をもっていればアトピー咳嗽の可能性が高いです。この患者さんがもしアレルギー疾患をもともと持っていなければβ刺激薬は第一選択で間違っていません。ただ一向に咳がとまらなければGERD(胃食道逆流症)も考えなくてはいけません。GERDは食道下部の括約筋の弛緩が原因です。β刺激薬がこれを助長します。こういう咳にはPPI(proton pump inhibiter)を使います。もちろん確定診断には胃・十二指腸内視鏡も必要ですが。

                               2012.6.29.

Q62.喘息でフルタイドを吸入しています。最近声枯れがひどいです。

A62.吸入ステロイドの粒子径は現在ほとんどが2μ程度になっているはずです。ただ乳糖でコーティングされているため喉にくっつく感じが強い人がいます。しかしこれでステロイドは気管支にとどまり奥へ入っていくわけであり薬効としては仕方ないところもあります。粒子径がもっと小さいエアゾールタイプのものもあり、そちらに変更することを考えてもいいと思います。ステロイドそのもので口腔カンジダ症になることもあり、この場合は抗真菌薬の経口ゲルあるいはうがい薬を使用します。決して吸入ステロイドを中止することはしません。

Q63.気管支拡張薬を長期間使用すると効きにくくなると聞きました。

A63.気管支拡張薬にはメプチンエアーなどのβ2刺激薬やテオドールなどのキサンチン製剤があります。このうちβ2刺激薬は気管支平滑筋の細胞表面にある受容体に作用します。β2刺激薬だけを使い続けるとこの受容体が細胞内に取り込まれて減少します。したがって長期間使い続けると効きにくくなるのは本当のことです。しかし吸入ステロイドはこの受容体の減少を防ぐ作用があります。もしβ2刺激薬を使うのであれば吸入ステロイドを先に吸入しておく必要があります。

Q64.喘息の医療費助成制度について教えてください。

A64.重症喘息患者では毎月に医療費の自己負担が1万円以上の人が35%もいることがわかっています。ほとんどが高齢者で年金生活者です。東京都だけがこれに対して公費助成を行っています。区役所に書類がありこれをかかっているクリニックや
   病院にいくと書いてもらえます。当クリニックに東京都以外から通院してこられる方がいます。東京都に住民票がないため書類はかけません。この医療制度が全国の自治体に広がっていくことを願っています。

                              2012.12.18.

Q65.アトピー性皮膚炎があります。昼学校でパンをたべた後校庭で突然喉がはれ、顔面が紅潮し、呼吸が困難になりました。今まで喘息などの既往はありません。以前測定した小麦特異的IgEは陰性でした。

A65.小麦依存性運動誘発アナフィラキシーです。小麦のタンパクには水溶性のものと不溶性のものがあります。通常クリニックで測る小麦特異的IgEは水溶性です。小麦は26種類のコンポーネントからなり小麦以外では不溶性のω―5グリアジンが測定可能です。小麦依存性運動誘発アナフィラキシーはこのω−5グリアジンに対する特異的IgE抗体が高くなります。

                              2012.12.19.

Q66.調布市の小学校で昨年末、5年生の女の子が給食でチーズいりチヂミを食べた後アナフィラキシーショックで亡くなってしまいました。校長先生が予防用のエピペンを使ったそうです。

A66.新聞でしか情報は確認できませんが、2013年1月9日付の「朝日新聞」朝刊によると「食物アレルギーによって起きるアナフィラキシーショックを抑える注射薬エピペンを校長が打ったのは女児が給食を終えてから約40分後であることが分かった。」と記載されています。この文章にこの女の子の命を救うさまざまなヒントが隠されています。まず女の子はチヂミをたべた後まもなくして「気持ちが悪い」と訴えました。呼吸困難も出現しすぐにもっていた喘息用の吸入器で吸入しましたが改善せずショック状態になってしまいました。エピペンでアナフィラキシーショックは抑えられません。予防用のクスリなのでこの子の場合は気持ちが悪いと訴えた段階ですでにその後のことが想像できます。エピペンを打つのはこのタイミングです。校長先生はエピペンを打ったことがないので打つことをためらっていたことが考えられます。打ったことによる重大な事象はいままで報告されておりません。
私が調べたこれまでのエピペンの使用経験から、アナフィラキシー様症状を起こして30分以内に使用された症例で亡くなった人は一人もいません。したがって様子がおかしいと感じた段階でエピペンを使用することが必要です。もう一つこの子が小学生ということがあります。大人の場合だと昼食後はゆっくりくつろぐ、または昼寝をするなどあまりすぐに運動したりすることは考えられません。しかし小学生は昼食後にじっとしていません。食餌性運動誘発アナフィラキシーも考えられます。この場合の運動は別に激しい運動を指すのではありません。給食を片付ける、友達と談笑する、トイレに行く、散歩をするなどの運動も含まれます。この女の子は今まで何度かアナフィラキシー様症状を引き起こしたことがあるため、厳密な食事制限、エピペンの携帯などをしていたと思われます。食後十分な安静が保たれていたかも問題です。これはアナフィラキシーを発症した後も同じです。できるだけ体を動かさないことです。食物アレルギーだけではなく、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎、口腔アレルギーフルーツ症候群など、今後ますますアレルギー疾患は増加していきます。アナフィラキシーショックはこれらアレルギー疾患をもつすべての人に共通する脅威です。いきなりやってくるこの脅威に冷静に判断し行動する習慣を常日頃から身に着けておく必要があります。

                           2013.01.09.

Q67.抗コリン薬(テルシガン アトロベント スピリーバなど)の効能書きに排尿障害と書いてあります。私は前立腺肥大症のクスリを飲んでいます。影響はありませんか。

A67.喘息治療の基本は吸入ステロイドです。十分量使っても効果が十分でない場合ロイコトリエン拮抗薬、キサンチン製剤、抗コリン薬等を用います。したがってやむにやまれぬ事情で使うわけでコントロールには必要不可欠のものとなる場合もあります。しかしこれは使ってみないとわかりません。使ったほとんどの人が問題なく使っています。また使って排尿障害が増悪すればやめればもとに戻ります。なんども繰り返しますが、まず慢性の気道の炎症をとるための十分量のステロイドが使われているかどうかが問題です。炎症がおさまれば抗コリン薬もやめることができます。

                           2013.01.29.

Q68.IgE値が高く食物アレルギーと判定されたら絶対にその食事はたべてはいけないのでしょうか。

A68.Q1にも書きましたが、食物アレルギーの人の食事制限はアナフィラキシーショックでもおこさなければ必要最小限にとどめるべきです。簡単にいうと原因物質でも、症状が誘発されない食べられる範囲までたべることが必要です。これを繰り返し行います。そうすることによって食べられるようになることがあります。これはいわば経口の減感作療法を行っているようなものです。ただしIgE抗体などを定期的に測定しながら医師と相談しながら慎重に行うことが必要です。まったくたべないで我慢するということはそのまま食べられない体質を獲得することにつながります。

                            2013.1.30.

Q69.高校2年生です。喘息でアドエア―を朝夕1回ずつ、また部活動前に1回吸入しています。普段の生活や風邪などでは発作は起きません。サッカーの試合や緊張する場面になると急に呼吸困難になります。サッカーは続けたいのですが不安です。

A69.喘息患者さんにはよくあることです。交感神経の過緊張状態が気管支平滑筋の緊張を引き起こしているのです。このような緊張状態でも喘息の発作が起こらないようにする必要があります。問題点が2点あります。まず1点、毎日の部活動で呼吸困難が起こるようであれば吸入ステロイドの使用が充分でない可能性があります。これには喘息日誌、ピークフローメーターの変動が一番よくわかります。自分の最大ピークフロー値の80%以内に収まっていれば、いくら激しい運動をしても発作は起きません。2点目は、アドエアは長時間作用型のβstimulantが含まれています。持続時間は長いのですが立ち上がりが遅いです。したがって運動前に使用するのであれば短時間作用型のシムビコートやメプチンなどを使用する必要があります。また続けたいサッカーをやめる必要はありません。喘息でJリーグやプロ野球、オリンピックで活躍している選手はたくさんいます。目標を見失って喘息が悪化するほうが心配です。

                            2013.6.18.

Q70.ステロイド吸入をすると口腔粘膜にくっつく感じがしたりピリピリしたりします。また喉のイガイガ感が我慢できません。

A70.朝起床後に吸入すると口腔内は乾いています。パウダー式のステロイドを吸入すると確かに喉がイガイガしたりします。対処法としては吸入する前にウガイをして口腔粘膜を湿らせておくことです。そうすると口腔粘膜に付着する量はかなり防げます。吸入後はまたウガイします。それでもダメな場合は刺激の少ないスプレー式に変えてみます。いろいろなデバイスがありますので自分にあったものを使えばいいと思います。

                            2013.6.19.

Q71.毎年咳喘息で吸入ステロイドをある一定期間吸入しています。減感作をすると咳喘息は治るのでしょうか。

A71.減感作療法はT型アレルギーの根本的な治療法です。目的は免疫寛容な状態を作りその体質を改善することです。咳喘息がHD ダニ スギ花粉などを抗原として発症しているのであれば十分な効果が得られると思います。しかしIgE抗体を下げるのは減感作療法ではありません。咳喘息の治療、すなわち吸入ステロイドを定期的に使い症状が全くない状態を作ることが先です。咳喘息をなくすために減感作をすることはありません。

                            2013.6.26.

Q72.毎年花粉症が終わったころから咳が続くことがよくあります。そのたびに病院で吸入ステロイドをもらって数週間すれば症状は治まってしまいます。私は喘息なのでしょうか。

A72.現在のガイドラインによれば咳喘息もアトピー咳嗽も喘息も治療は吸入ステロイドが第1選択です。風邪を契機に咳が2週、3週と続く人もいます。これは感染後咳嗽と言いますが、やはり遷延性咳嗽の一種で、吸入ステロイドが有効です。咳止めだけ使っていると咳は止まりません。将来喘息になるかどうかは経過を見ていかないとわかりません。使い続ける必要があるようであれば、気管支粘膜下の好酸球の炎症、基底膜の肥厚が起こりつつあるのかもしれません。しかし大多数の人は症状が改善してしまいます。最初の治療にもよりますが、私の印象だと喘息に移行する人は10%に満たない様な気がします。

                            2013.6.26.

Q73.今まで食べていた玉ねぎを食べて喉がイガイガ、咳が止まらなくなりました。それ以来まったく口にしていません。近医でIgE抗体を測ってもらったら陽性でした。玉ねぎを食べないようにいわれ、それ以来食べていません。一生玉ねぎを食べられないのでしょうか。

A73.一生玉ねぎを食べなければ問題はありませんが、なかなか難しいと思います。アナフィラキシーなどの激しい症状を繰り返すことがなければ、「できるだけ気を付ける」というのが正解です。激しいアナフィラキシー反応を起こした人はまた起こしそうな気になります。それでまた起こしてしまいます。注意するのは3か月から半年くらいでいいと思います。それ以上厳格な食事制限をしていると今度は一生食べられない体質が出来上がってしまいます。安心のためエピペンは携帯しておくほうがいいです。

                            2013.7.31.

Q74.卵の減感作はできるのでしょうか。

A74.現在専門の施設で研究段階として進められています。具体的には、他の減感作療法と同じように、少量から口にいれ2週間程度かけて卵1個と食べられるように体質を改善していきます。アナフィラキシーなどの症状が出現する可能性がありますので入院して行う必要があります。学会の報告によると成功率は3割程度と思われます。ただ他の減感作療法と同じで卵1個食べられるようになったら今度は毎日卵をたべて体質がもとに戻らないようにします。これはおよそ2年程度でいいのではないかと思っていますが、まだ実験段階です。

                            2013.7.31.

Q75.風邪をひくと必ず咳が2、3週間続きます。そのうちおさまります。治療は必要ないのでしょうか。

A75.風邪をひくと咳が長引くことがありますが、その人にアレルギーに関する基礎疾患、アレルギー性鼻炎、喘息、アトピーなどがなければいわゆる感染後咳嗽で治療の必要はありません。もしも心配なら医療機関を受診していただいて胸部X線撮影、肺機能等の検査をしてもらいます。

                            2013.7.31.

Q76.アトピー性皮膚炎です。ステロイド薬を使い続けているとそのうち効かなくなってしまうのではないでしょうか。

A76.ステロイドバッシングが激しい時期にそういった質問をたくさん受けました。クスリが効かなくなるということはまずありません。他のアレルギー疾患にもいえることです。

                           2013.11.27.

Q77.舌下免疫療法で重大な副作用はないのでしょうか。

A77.局所ではまれに口腔内のかゆみ、口唇の腫脹、咽喉頭刺激感、食道潰瘍など起こりますがやめればもとに戻ります。どんな治療も無理はできません。致死的は重大な副作用はいままで報告されていません。

Q78.喘息を合併していない患者が免疫療法をすると喘息の発症を予防できると聞きましたが本当ですか。

A78.いわゆるアレルギーマーチの話ですが、免疫療法は現在唯一のT型アレルギーに対する根治療法です。将来起こりうる喘息の発症を有意に抑制し、その効果は免疫療法終了後も持続することが期待されています。

Q79.舌下減感作療法はなぜ小児で適応がないのでしょうか。

A79.将来的には適応になると思われます。現在のところ十分なエビデンスが得られてないため12歳以上となっています。

Q80.皮下免疫療法と舌下免疫療法はどちらが有効ですか。

A80.皮下免疫療法はほぼ100年の歴史があり、有効性は確立されています。しかし舌下免疫療法はいままで両方を直接比較検討したエビデンスがあまりありません。30年以上にわたって続けられてきたヨーロッパの方法をほぼ踏襲することになります。「舌下免疫療法は皮下免疫療法と同等の症状改善効果が見込める可能性がある。」というのが今のところの日本アレルギー学会の見解です。日本ではこれからいろいろなエビデンスが蓄積され改良されていくことになると思います。

                           2013.12.09.

Q81.舌下免疫療法はいつからはじめたらいいですか。

A81.この時期から始めるのが一番いいという見解は定まっていません。いつからでもできます。皮下免疫療法と違って維持期に達するまでの期間が短いため、一般的には花粉飛散2か月から3か月前がいいと考えられます。

                           2013.12.10.

Q82.メプチンエアーを月1本使うだけでここ数年喘息はコントロールできています。とくに不自由は感じません。このまま治療を続けたいのですが。

A82.ダメです。確かにメプチンエアーやサルタノールなどのβ刺激薬のみでコントロールしている人が今でもいます。季節の変わり目に数回使う程度であれば、「喘息予防・管理ガイドライン」によるとステップ1の以前の段階なのでこの治療でOKです。しかし、喘息のコントロールのために年間12本使っていると、やがて大発作や不整脈などが出現する可能性があります。月に1本メプチンエアーを使うのであれば同時に吸入ステロイドを使う必要があります。そうしないと気道の炎症は増悪していきます。

Q83.アトピー、喘息でハウスダスト、ダニを除去するためにまめに掃除していますが具体的にはどうしたらいいのですか。

A83.小児喘息の90%、成人喘息の40%にチリダニの過敏性が認められています。チリダニの大きさは03〜0.4mmで死骸と糞がアレルゲンになります。気温24度以上、湿度70%以上で繁殖が始まり、秋から冬にかけて気温10度以下、湿度40%以下になると死んでハウスダストの原因になります。具体的には床、畳は毎日掃除機をかける、3日に1度は20秒/uの時間をかける。寝具は1週間に1度シーツを外して両面に掃除機をかける。電気の傘、タンスの天板などは年に1度拭き掃除をする。その他年に1度大掃除をする。詳しくは日本アレルギー学会ホームページ等に記載してあります。

Q84.妊娠を希望しています。顔にプロトピック軟膏を使っていますが、やめるべきでしょうか。

A84.原則的にはプロトピックは禁忌です。妊娠中、授乳中は少し強めのステロイド外用薬に切り替えて、授乳が終わったらまたプロトピックに切り替えます。

Q85.アトピー性皮膚炎でステロイド治療をしています。塗っている間は症状が治まりますが、やめるとまたひどくなります。また病院に行って薬をもらうのですが費用もばかになりません。副作用も心配です。いつまで続ければいいのでしょうか。またステロイド治療以外の治療はないのでしょうか。

A85.アトピー性皮膚炎に好きでなっている人はいません。残念ながら今のところステロイド治療以外の有用な治療は報告されていません。これはアレルギー治療全体に言えることです。また10年使っても20年使っても副作用はありません。ステロイド治療以外の民間療法に向かう人がいますが、効果がないばかりか経済的負担はこちらの方が大きいと思います。また、ひどいときだけ病院に行って薬をもらう(リアクティブ治療)よりもいい状態を保つために少量のステロイドを週2,3回塗ってコントロールする(プロアクティブ治療)ほうが1年をとおしてみると経済的負担は軽くてすみます。


                            2014.5.20.

Q86.吸入器がうまく吸えてないような気がします。どうやって確認するのでしょうか。

A86.確かに確認のしようがありません。残薬は最近カウンターのついた吸入器があり
ますので確認できますが、きちんと吸えた保障はありません。これはやはり毎日
ピークフローメーターを記録してよくなっていく過程を見るしかないと思われます。念のために吸入の仕方をおさらいしておきます。スプレータイプの吸入器はまず容器をしっかり振って使います。最初は思いっきり吐いて噴霧と同時にゆっくり深呼吸するように2〜3秒かけて吸入します。その後少し息を止めるのがコツです。スペーサーを使う場合は1回ずついれて同様に使用します。ドライパウダーの場合も同様ですが、注意点がいくつかあります。振るとカシャカシャ音がしますがこれは乾燥剤の音です。薬の音ではありません。よく振った後容器を垂直にします。その後下を回してセットします。これは薬が重力で落ちてくるからです。容器を横にしてセットする人がありますがこれでは薬は出てきません。吸入の仕方はスプレータイプと異なり思いっきり強く、深く吸入します。

                            2014.8.20.

Q87.もともと花粉症があり、エビ、カニで湿疹がでます。フルーツもマンゴーメロンで喉頭が腫れたりしていましたが、年齢とともに食べられないものが増えてきたように思います。これから先が心配です。31歳、女性

A87.生まれたての赤ちゃんはIgE免疫がありません。ときどきこの子は生まれつきアレルギー持ちだというお母さん方がいらっしゃいますが、そんな子供はいません。IgE抗体(免疫)は生まれて早ければ数か月から半年で作られていきます。その後特異的IgE抗体の産生、免疫の過剰反応が人によって違います。衛生仮説にも書きましたが、これだといった説明はまだ誰にもできません。遺伝的要因、環境、食生活など様々な要因でアレルギー体質が作られていきます。このアレルギー体質を変えるのが減感作療法です。

                               2014.8.27.

Q88.舌下免疫療法で、1日のうちで舌下に一番いい時間帯はあるのでしょうか。

A88.日本アレルギー学会が推奨している時間帯は午前中です。これはもしもアナフィラキシーを起こした時に病院が開いていることを想定しています。維持量に達するまでの2週間は慎重にしてください。維持量に達すれば時間帯はあまり気にすることはないと思います。ちなみに舌下免疫療法によるアナフィラキシーの頻度は1億回に1回程度です。
                             
Q89.舌下免疫療法で舌下をわすれてしまったらどうするのでしょうか。また朝舌下したかどうか覚えていない時、舌下したほうがいいのでしょうか。

A89.皮下減感作療法も同じですが、維持期に達するまでが重要です。その後1日忘れた、数日忘れた、は問題ではありません。忘れたら翌日に行ってください。要は2,3年にわたって続けることが大切です。

                              2014.12.02.

Q90.アレルギーに対する免疫療法がいいのはわかりますが、2,3年にわたって続ける自信がありません。

A90.アレルギー性鼻炎、花粉症などアレルギーが重症化してからでも遅くないですが、アレルギーは将来にわたって獲得していく免疫機能です。食べられないものが増えてくるなど、アレルギーマーチが起こらないように早めに免疫療法をすることをお勧めします。当院で免疫療法を始めて、続けられなかった人はほとんどいません。他の施設と少し違うようですが、何故かはわかりません。

Q91.ダニ、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎がひどいです。将来、舌下免疫療法ができるようになるのでしょうか。

A91.現在欧州のダニアレルゲンエキスを使い、ダニアレルギー性鼻炎患者を対象にした臨床治験が国内の製薬メーカーにより進められています。ここ数年以内に保険診療ができることが期待されています。

                              2014.12.08.

Q92.実家で猫を飼っています。家に帰ると必ずくしゃみ、鼻水がでます。近所の医院でIgE抗体を検査したら陰性でした。

A92.IgE抗体が陽性に出る確率はあまり高くありません。猫に触れて鼻水、くしゃみが出るようであれば、それで猫のアレルギーと診断していいと思います。それから、よく間違われるのが猫の毛が原因と思っている人が多いようです。特異的IgE抗体は猫の毛ではなくて皮屑を測定しています。いわゆる人間でいうフケです。
   猫が亡くなった後も、アレルギーが続くのはそのためです。

                              2014.12.26.

Q93.舌下免疫療法のシダトレンは2℃〜8℃で保存と書いてあります。長期旅行などで持ち歩くとき保冷しておかないといけないのでしょうか。

A93.試験的にはシダトレン200JAU/mlのボトルは2か月、2000JAU/mlのボトルとパックは7日間、25℃でも失活は認められなかったと報告されております。ほとんどの旅行先には冷蔵庫が備わっているはずですので、そこで保冷していれば問題ありません。

                                
Q94.シダトレンを会社においていますがが、保存するのに何か注意点がありますか。

A94.持ち運んだり、保存するのには立てたままにしておくことです。横にすると、中の管に空気が入ります。1プッシュで十分な量が出ない可能性があります。

                                2015.2.2.

Q95.舌下免疫療法を家でしていますが、毎日するのが大変なのと、2週間に1度の通院が苦痛になってきました。

A95.新薬はどれも同じですが、発売後1年間は2週間投与しかできないという縛りがあります(2015年10月まで)。そうすると1か月に28日投与になってしまいます。1か月が31日ある場合はもう1回もらいに来る必要があるのかということです。もともと免疫療法は免疫寛容状態(いわゆる体を抗原になれさせる)を作ることが主眼です。クスリを今日忘れたらどうしようとか、数日間舌下しなかったことを後悔する必要はまったくないのです。1年365日投与するため一所懸命病院に通う必要はありません。おおよそ2年から3年続けられれば8割程度が緩解に持ち込めるというデータです。1年におよそ12カ月きちんとできた人と、事情があって11カ月しかできなかった人をくらべても2、3年後の結果に大差はないように思います。
  
                                2015.3.4.

Q96.花粉症がひどいですが、今から舌下免疫療法を始めることはできないのですか。

A96.舌下免疫療法はCryj1とCryj2というスギ花粉症の主要抗原を舌下します。したがってスギ花粉症の時期に始めるのはアナフィラキシーなどのリスクを伴います。始める時期は花粉症症状がおさまって2週間程度してから、具体的には5月連休明けがいいと思います。ヒノキ花粉症もある人はもう少し先です。

Q97.喘息、アレルギー性鼻炎でHD(ハウスダスト)減感作を受けていますが効果が実感できません。

A97.アトピータイプの気管支喘息と通年性アレルギー性鼻炎には現在HDの減感作療法を行っている施設が多いです。これは実際のHD(家塵)を集めてきて作ったものです。
HDの中身は6割がダニの成分です。本来であればこのダニの減感作療法をするのが一番と思われますが、本邦では数十年にわたってHD減感作療法がおこなわれてきました。理由はよくわかりません。しかし、今年4月ようやくダニの主要アレルゲンDerf1とDerp1を標準化した治療用ダニアレルゲンエキスが販売されることになりました。今後アレルギー診療は大きく変わっていく可能性があります。

Q98.舌下免疫療法をしていますが、よく口内炎ができます。どうしたらいいですか。

A98.A95にも書きましたが、免疫療法は長期にわたる治療です。まず口内炎を治すことです。よくなったら免疫療法を再開します。

                               2015.3.11.

Q99.小児期から喘息で現在もテオドールを毎日朝夕飲んでいます。しかし、最近風邪を引いた後調子が悪く呼吸困難が続いています。22歳 男子学生。

A99.いまだにこのような治療が行われているのが驚きです。喘息の病態は「慢性剥離性好酸球性気管支炎」です。これには吸入ステロイドがどうしても必要です。風邪で症状が悪化するのは当たり前で、気管支周囲に原因となるリンパ球、好中球につられて好酸球浸潤もひどくなるからです。吸入ステロイドを使っている人はステロイド吸入の回数を倍に増やします。その後1、2週間様子を見ながら(ピークフローメータ−を見ながら)減量していきます。

Q100.昨日から突然鼻水が出る、眼がかゆい、頭がボーとするなどの症状があります。今まで花粉症症状はありません。72歳、女性。

A100.昨日は快晴で強風が吹きましたね。これが花粉症の初発症状です。最近高齢者の花粉症もよく見ます。治療は同じです。おそらく抗アレルギー剤の点鼻薬、点眼薬が奏効すると思います。
                              
 2015.3.13.

Q101.通年性アレルギー性鼻炎で花粉症はありません。減感作療法はできますか。

A.101.おそらくHD、ダニ抗原に感作されている可能性があります。免疫療法(減感作療法)のいい適応です。

Q.102.先生から言われたとおり、毎年花粉症の飛散時期2,3週前から抗アレルギー剤の点鼻、点眼を行っています。これまでほとんど症状は出ていません。

A.102.これがいわゆる早期療法で花粉症対策には非常に有効です。しかし、これはほぼ一生にわたって続けなくてはいけません。怠けると花粉症症状は増悪します。免疫療法(減感作療法)は2、3年で花粉症が緩解し、その後治療の必要のない治療法です。

                               2015.3.17.

A103.喘息で吸入ステロイド、ロイコトリエン拮抗薬、キサンチン製剤等使い数年間調子が良かったのですが、最近咳が出るとともにピークフローの値も落ちてきました。

Q103.HDアレルギーの人はほとんどの人がスギ花粉に対する特異的IgE抗体を持っています。この時期咳が続くときはアトピー咳嗽を疑います。質問の方は喘息に対して十分な治療が行われております。抗アレルギー剤を加えるのと、昨年11月に認可になった長時間作用型の抗コリン薬が有効です。もともと慢性気管支炎につかっていたものです。スギ花粉症の時期をのりきってピークフローメーターの値がもとに戻れば2〜3週かけて中止します。

                               2015.3.31.  

A104.アトピー性皮膚炎で悩んでいます。免疫療法はできるのでしょうか。

Q104.アトピー性皮膚炎に対する免疫療法といえるものはありません。スギ花粉症を合併していればスギ花粉症の免疫療法を行います。ダニ、HDの免疫療法は皮膚で行うため激しい局所反応をおこす可能性があります。

                               2015.4.17.

A105.気管支喘息で治療中でしたが、肺結核に罹ってしまいました。喘息の治療薬はどうするのでしょうか。

Q106.吸入ステロイド薬は使えません。肺結核の治療に専念します。肺結核は先進国のなかでは、日本はまだ圧倒的に多い疾患です。長引く咳は要注意です。

A106.スプレータイプの吸入器(オルベスコ、キュバール、フルティフォーム、メプチンなど)とドライパウダー式の吸入器(アドエア、シムビコート、フルタイド、アズマネックスなど)の使用方法に違いがあるのでしょうか。

Q106.スプレー式のタイプは最初に大きく息を吐いて、2〜3秒かけてゆっくり吸入するのがコツです。はやく吸うと末梢気道がつぶれて粒子が到達ないからです。スペーサーを使う場合には1回に1吸入ずつ行います。ドライパウダー式の場合は一気に吸入します。

                               2015.6.24.

Q107.スギの舌下免疫療法をしています。2週間目に喉と顔面の掻痒感、喉頭の詰まった感じ、頭痛、熱感がありました。このまま続けていいのでしょうか。

A107.これがアナフィラキシーです。喘息の既往のある人は要注意で大発作を起こすこともあります。残念ながら続けることはできません。もし皮下のプリックテストを行っていれば閾値テストを行い、皮下免疫(減感作)療法を受けることは可能です。 

                               2015.7.10. 

Q108.夫婦ともアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などアレルギーで悩んでいます。子供が生まれたばかりです。今後アレルギーにならないか心配です。どう防いだらいいでしょうか。

A108.これもよくある質問です。つい数年前まで、片親にアレルギーがあると20〜30%程度、両親ともにアレルギーがあると50〜60%程度あるいはもっと子供がアレルギーになるといわれていました。これは今では間違いであることがわかりました。離乳食のころからバターやミルク、ヨーグルトなどの乳製品を避けるご家庭がありますが、これも間違いです。できるだけ早くから摂取することが将来の食物アレルギーを防ぐことがわかってきました。ひいてはその後のアレルギーマーチ(アレルギー性鼻炎、アトピーなどの発症)も予防できます。

Q109.子供が卵アレルギーです。特異的IgE抗体がだんだん少なくなってきています。いつごろから食べることができるようになりますか。

A109.ほとんどの食物アレルギーにいえることですが、小児の場合、特異的IgE抗体はだいたい減少してきます。しかし完全に消失してしまうことはありません。食べさせる場合はそれなりの施設で徐々に量をあげていってまるまる1個食べられるようにします。
いわゆる卵の免疫(減感作)療法です。

Q110.スギの減感作療法をする前に病院で特異的IgE抗体を測定しましたが、減感作療法をするとこれは下がってくるのでしょうか。

A110.特異的IgE抗体は1年半から2年かけて一時的に上昇します。その後減少していきます。したがって免疫療法には2年から3年の月日がかかります。免疫療法は症状を和らげるため(免疫寛容状態を作る)の治療です。じつは特異的IgE抗体の値はあまり問題ではありません。免疫療法を始める前に検査されたのは特異的IgEに依存するアレルギーの確認だと思います。これも高い、低いはあまり関係ありません。陽性であるということが問題です。

                               2015.7.11.

Q111.喘息でスピリーバレスピマットを使用しています。赤い矢印が一番上まで来ているのにまだ噴霧されます。このまま吸っていていいのでしょうか。

A111.クスリがなくなると回転しなくなります。噴霧ができている間は吸入できます。

                               2015.7.12.

Q112.ダニの舌下免疫療法を受けていますが、1分間保持せず誤って飲み込んだときはどうすればいいですか。

A112.翌日前日の用量を服用します。

Q113.舌下免疫の錠剤を当日服用したかどうか覚えていない(不確かな)時はどうしたらいいですか。

A113.その日は服用しないで、翌日前日の用量を服用します。

Q114.ダニの舌下免疫療法は子供でもできますか。

A114.スギの舌下免疫療法と同じで対象は成人及び12歳以上の小児です。

Q115.免疫療法は症状があるときはできないと書いてあります。私は年中鼻炎があり症状が消えることがありません。治療はできますか。

A115.アレルギーには喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの疾患がありますが、それぞれに標準治療が推奨されています。標準治療を続けながら免疫療法を受けることは可能です。

Q116.金属アレルギーと診断されて、ネックレス、イヤリングなどを外していますが湿疹が改善しません。

A.116.ニッケルやコバルトなどは豆類、香辛料、木の実、紅茶、コーヒー、ココア、チョコレート、蕎麦などにも微量含まれています。これらを制限することで改善することがあります。

                              2015.12.22.

Q117.アナフィラキシーの時にエピペンを打つタイミングが分かりません。 27歳 小学校教員

A.117.たしかに注射薬剤なので副作用や手技のことを考えるとためらってしまします。手技に関しては何度も繰り返し予行練習しておくことです。タイミングは確かに難しいので日本小児アレルギー学会が要約して昨年「一般向けエピペンの適応」をホームページで発信しました。それによると、1.繰り返し吐く。2持続する腹痛。3.胸が締め付けられる。4.声がかすれる。5.犬がほえるような咳。6.持続する咳。7ゼーゼーする咳.8.息がしづらい。9.唇や爪が青白い。10.脈が触れにくい、不規則。11.意識がもうろうとしている。12.ぐったりしている。13.尿や便を漏らす。
以上の症状で1つでもあればエピペンを使用すべきであると指摘しています。

                               2016.1.22.

Q118.最近の報道で乳酸菌製剤(プロバイオティクス)がアレルギー疾患に有効とよく耳にします。本当に効果があるのでしょうか。

A118.確かによく報道で取り上げられます。日本アレルギー学会に所属するアレルギー疾患のガイドラインではまだ結論が出ておりません。今のところ標準治療を続けることが一番と思われます。

Q119.花粉症の時期に眼の周囲に湿疹ができます。ステロイド軟膏を塗ればすぐによくなりますが、また症状がぶり返します。

A119.これは花粉症皮膚炎です。症状が長引くようだとプロトピック軟膏がおすすめです。眼に入っても眼圧が上がる心配がありません。しかし、これも根本治療は免疫療法です。花粉症の根治が必要です。

Q120.45歳を過ぎてから喘息と診断されました。最初はわからず咳が長引いていただけでした。徐々にクスリが増えて、現在テオドール200mg×朝、夕、アドエア500mg 1吸入 朝と就寝前、クラリチン10mg 1T ×朝、シングレア1T 就寝前、ツロブテロールテープ 2mg ×朝、プレドニゾロン 10mg ×1 朝、カルボシステイン250mg 6T 3×朝、昼、夕です。この薬になって半年以上になりますがそれでも時々増悪します。スギやダニ、その他のIgE抗体はすべて陰性で先生からは難治性喘息で一生クスリを使い続けるように言われました。この他に眠れないので睡眠薬、抗うつ薬、向精神薬など他のクリニックでもらっています。 48歳 男性

A120.成人になってから喘息を発症することがあります。最初は咳が続く場合が多いようです。問題点が2点あります。1点目は難治化する原因がすべてIgE抗体でかたづけられている点です。IgE抗体は陽性であればまず確実ですが、陰性だからといって感作されているものが全くないとは言い切れません。プリックテストや皮内テストで確認する必要があります。生活習慣や周囲の環境をよく見直す必要があります。2点目は喫煙です。長い間喫煙しているとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を発症している場合があります。初期症状が似ているため区別がつきにくいことがあります。病歴はもちろんですが、胸部X線撮影や肺機能、胸部CT検査で確認します。治療は抗コリン薬がファーストチョイスになります。

Q121.咳が1か月半つづき近医にかかったらシムビコートを吸入するように言われました。ステロイドと書いてあったので躊躇してまだ使っていません。ステロイドに強い、弱いはあるのでしょうか。 73歳 女性

A121.アトピー性皮膚炎に使うステロイド軟膏には弱いものからストロング、ストロンゲストまであります。吸入ステロイドは種類や粒子径、作用時間が異なるだけで強さにそれほどの差はありません。
                              
2016.1.26.

Q122.30年来の花粉症ですが、最近年々鼻の症状は改善してきています。しかし、目や顔の皮膚炎の症状が悪化しています。現在花粉飛散時期ですが、免疫療法はできますか。56歳 女性

A122.自然にIgG4抗体を作って改善してくる人が本当にまれにいます。動物実験でも報告があります。この方の場合はおそらく目や皮膚の症状が悪化したため、相対的に
鼻炎の症状が軽く済んでいるのだと思われます。ここ数年の花粉飛散量にもよると思います。もう一点、症状が軽くても花粉症飛散時期に免疫療法を開始するのは感心しません。
アナフィラキシーなどの誘因になります。

                                2016.3.4.

Q123.花粉症もひどいですが、埃を見ただけで鼻水が出ます。1年に数回咳が長引くことがあります。舌下免疫療法ができますか。 50歳 女性

A123.気管支喘息などの既往がなければ、基本的には可能です。舌下免疫療法をやっていく中で喉のイガイガ感や浮腫などで難しいようであれば皮下減感作に途中で変更します。

Q124.慢性気管支炎(COPD)でスピリーバを毎日吸入していますが、数日前から鼻水、咳嗽、呼吸困難がひどくなりました。階段も登れません。 61歳 男性

A124.おそらく花粉症のせいと思われます。抗アレルギー剤、ロイコトリエン拮抗薬、吸入ステロイド、β刺激薬が必要です。花粉飛散時期を過ぎて、症状が落ち着けば免疫療法を始めます。

Q125.幼少時期からアレルギー性鼻炎がひどく、大学生でHD(ハウスダスト)の減感作療法を受けました。20年ほど安定していたのですが、最近夜間の咳が止まらないことが頻繁におきます。 43歳 女性

A125.20年近く症状が出ずに済んでいるのは免疫療法のおかげと思います。現在HDの約6〜7割を占めるダニの免疫療法ができるようになりました。症状が落ち着けば
ダニの免疫療法を受けるのがいいと思います。

                                2016.3.7.

Q126.花粉症の免疫療法を2、3年ほど続けて4、5年症状が治まっていました。しかし最近また症状がぶり返してきています。どうすればいいですか。 25歳 男性

A126.免疫療法はほぼ一生にわたって効果が持続するといわれています。しかし症状が一時的にぶり返す人がいます。月1、2回の減感作を依然と同じように繰り返します。症状は改善します。最初からまた始める必要はありません。

Q127.他県から引っ越してきました。20年以上前から花粉症で悩んでいましたが、ある病院で花粉症飛散時期に筋肉注射をしてもらっていました。そのシーズンは何も症状が出ずに済みました。減感作の注射とは違うのですか。 27歳 女性

A127.これは「ケナコルトA」というステロイド注射です。確かに花粉症飛散開始前に注射すると2、3か月細胞の遊走と化学物質の遊離を阻害して、まったく症状がでずに済むことがあります。しかし、翌年必ず好酸球とIgE抗体は上昇します。それでまた注射をすることになるわけですが、花粉症は重症化していきます。減感作療法と勘違いしている患者さんが多いようです。

Q128.花粉症飛散が始まると私は耳鼻科で抗アレルギー剤とセレスタミンをもらってのんでいます。少し眠くなりますが、これでなんとか花粉症飛散時期を乗り切ってきました。 35歳 男性

A128.セレスタミン1錠の中には抗ヒスタミン薬:d―マレイン酸クロルフェニラミン2mgとベタメサゾンというステロイド0.25mgが含まれています。第2世代の抗アレルギー剤と併用すれば、かなり強力な花粉症対策になります。短期で服用するのは問題ありません。しかし、これを2、3か月にわたって使用すれば「Q127」にも述べたように花粉症は重症化します。値段も安くネットショッピングでも簡単に手に入るクスリですが注意が必要です。

                                2016.3.24.

Q129.小児期からアレルギー性鼻炎があります。猫を飼いたいのですが、症状が重くならないか心配です。 30歳 男性

A129.猫を飼う、飼わないは問題ではありません。アレルギー性鼻炎の治療を行なうことが必要です。アレルギー性鼻炎の患者さんのほとんどが、日本で代表的なコナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニに感作を受けています。これの免疫療法を行えば症状は改善します。猫を飼うことの心配をする必要はありません。

Q130.子供にアレルギー誘発食物を早期から食べさせていれば将来食物アレルギーは発症しないのでしょうか。 27歳 女性

A130.その可能性が高いという報告が相次いでいます。1つ目は2016年3月4日のN Engl j Medのオンライン版LEAP−On試験です。ピーナッツアレルギー未発症の高リスク乳児640例を生後4〜11か月でのピーナッツ早期導入群と導入遅延群にランダム化し、その後のピーナッツアレルギー発症リスクを比較しています。1年間のピーナッツ禁止後再摂取を行い、6歳時点でのピーナッツアレルギー発症率を比較しています。早期導入群が4.8%(270例中13例)、導入遅延群が18.6%(280例中52例)でした。2つ目は同日に発表された米国アレルギー・喘息・免疫学会年次集会(AAAAI、ロサンゼルス)のEAT試験です。母乳のみで哺育された生後3か月の子供1303例を登録し、6種類のアレルギー誘発性食物(ピーナッツ、鶏卵、牛乳、ゴマ、白身魚、小麦)を早期に与える群(早期導入群)と6か月間は母乳のみで哺育する群(標準導入群)にランダム化し、早期導入の食物アレルギーを検討しています。1〜3歳時点で有意差が認められたのはピーナッツと卵でそれ以外は有意差がありませんでした。これに対する論評も同時に行われております。試験自体が難しく(何といっても相手は赤ん坊)、母親がこどもに無理強いできたかどうかは定かでない。また食物が固形物かどうか(喉に詰まらせるのではないか心配)が問題と言っています。

                                 2016.4.3.

Q131.スギ花粉症で悩んでいます。将来3回程度の注射で減感作ができると聞きました。本当にそんなことができるのでしょうか。 30歳 男性

A131.本当です。ただし最近はじまったばかりの研究です。当院ホームページ「受付カウンターより」にある「人はなぜアレルギーになるか?−衛生仮説」にある細胞性免疫の高い状態をおとなになってからでも作り出せるのではないかという考えです。細菌のDNAを人のリンパ節に注入してアレルギーの発症を抑える制御性T細胞(Tレグ)を増やそうという試みです。

                               2016.4.11.

Q132.気管支喘息で吸入ステロイド、抗ロイコトリエン剤、キサンチン製剤を使用しています。免疫療法を始めてから発作の回数が増えたような気がします。 55歳 女性

A132.免疫療法を始めるのに気を付けなければならないことがあります。アレルギー疾患それぞれの標準治療が十分に行われ、症状が安定している時期がせめて3週間程度続いていることです。安定していない状態で始めると症状が悪化する場合があります。

                               2016.4.13.

Q133.中学生の息子のアレルギー性鼻炎がひどく、頭痛で学校を休んだりします。他院でHDの減感作療法を受けて数年になりますが、一向に改善しません。ダニの舌下免疫療法を受けさせたいのですが。 48歳 女性

A133.いい選択と思います。最近IgE型アレルギーは経皮感作であることがだんだんわかってきました。それを抑制させる経口の舌下免疫療法は非常に有効性の高い治療法だと思います。ただ、中学生がクスリを毎日継続して3年間服用できるかどうかは問題になります。なかなか難しいかもしれません。HDの減感作をダニの減感作にかえていただくのが一番いい選択と思います。舌下と比較しても効果は変わりません。
                               
Q134.免疫療法を受けたいのですが、なぜ前もってプリックテスト(アレルゲン閾値テスト)を受ける必要があるのでしょうか。 30歳 男性

A134.目的は3つあります。1つ目はIgE型免疫かどうか確かめる必要があるからです。特異的にIgE抗体と反応していなければ免疫療法の対象になりません。2つ目はIgE抗体との解離です。IgE抗体が高いからといって感受性が高いとは限りません。
その証拠にスギ花粉に対するIgE抗体が高くても発症していない人がたくさんいます。
3つ目は閾値と維持量に達するまでの期間の問題です。感受性が高ければ維持量に達するまで時間がかかります。IgE抗体が高くても感受性が低ければ閾値に達するまでの時間は少なくて済みます。舌下免疫療法は維持量に達するまでの処方期間が統一されていますが、すべての人に安全が確保されているわけではありません。プリックテストをすることによって維持量までの期間を延ばしたほうがいいかどうか判断できます。

                               2016.4.18.

Q135.食べ物はなんでも大丈夫ですが、エビ、カニだけは全身に膨疹が出ます。今も食べていません。スナック菓子も間違って食べると全身に発疹がでます。小さいときはアトピー性皮膚炎でしたが小学校高学年でおさまりました。私は一生エビ・カニを食べられないのでしょうか。 26歳 女性

A135.なかなか難しい質問です。いろいろな施設で食物の免疫療法を行っていますが成功率は低い状態が続いています。エビ・カニのような甲殻類はいうなれば嗜好品に近いもので必須な蛋白源は他の食物で取れます。したがって免疫療法の対象にもなっていないのが実情です。ここでエビ・カニアレルギーがなぜ起こるか考えてみましょう。3人の子供がいるとします。一番上の子供にはアレルギーがありません。5歳離れて2人の年子がいます。1人はアトピー性皮膚炎とエビ・カニアレルギーで1人は花粉症です。お母さんは上の子供の面倒を見ながら下二人の赤ん坊の世話をしなくてはなりません。上の子供はエビ・カニのはいったスナック菓子を赤ん坊のまわりで食べています。お母さんも一緒に食べているかもしれません。赤ん坊を抱っこした母親のまわりにスナック菓子の屑が布団や床に落ちています。そこを2人の赤ん坊がはいずりまわるのです。ここでエビ・カニの皮膚感作を受けるのではないかと思われます。一人だけエビ・カニアレルギーになるのは、アトピー性皮膚炎で皮膚が感作を受けやすい状態だからと思われます。

                               2016.5.11.

Q136.20年前から花粉症ですが、最近花粉症時期になると目の周囲や皮膚に膨疹が出ます。 45歳 女性

A136.花粉症も実は皮膚、粘膜感作であることがだんだんわかってきました。花粉を吸いこまないようにするのは大切ですが、花粉症になる機序はそれだけではありません。
天気のいい日に毎日天日干しした布団やシーツに寝ていると花粉の皮膚感作を受けます。いつも風通しよくした部屋には花粉が入ってきます。布団やソファーの上に積み重なった花粉により皮膚感作を受けこともあります。治療はそれぞれの治療を行います。鼻炎にはステロイド点鼻薬、目にはステロイド点眼、眼軟膏、皮膚には症状に応じたステロイド軟膏、クリームを使います。そのすべてに有効な治療が免疫療法です。

                               2016.5.16.

Q137.10年前に気管支喘息と診断されて、ステロイド吸入、キサンチン製剤、β刺激剤、抗ロイコトリエン薬などを使っています。それでも年に数回喘息発作がおきステロイドの内服を使うことがあります。HDの減感作もしましたがあまり効果はなかったような気がします。ダニの減感作をするとよくなるのでしょうか。 60歳 女性

A137.年に数回発作が起こる状態はあまりいい状態とは言えません。気管支喘息の長期管理はStep1(軽症間欠型)からStep4(重症持続型)に分類されています。この患者さんの場合はStep4です。まず吸入ステロイドを増やして気道の炎症を取ることを考えます。それでもダメな場合は抗IgE抗体薬や抗IL−5抗体薬を使います。Step1までダウンしてきたら免疫療法をおこないます。

Q138.スギ花粉症の舌下免疫療法とダニの舌下免疫療法を同時に受けることができますか。 32歳 女性

A138.同時に受けることはできます。しかし、同時に始めることはできません。副反応が出たときにどちらの薬剤が原因か特定できないからです。どちらか一方の舌下免疫療法が安定している状態でもう一方を始めるのがいいと思います。

                               2016.5.17.

Q139.幼児期にはアトピー性皮膚炎がありましたが、小学校に入るころにはおさまりました。小学校の頃花粉症になり、その後食べ物でアレルギーが出るようになりました。メロン、スイカ、サクランボでアナフィラキシー、その後成人してからピーナッツ、カレーで喉頭浮腫、呼吸困難となりました。歯科の抜歯で意識消失しそうになったこともあります。免疫療法でこれらの症状は治まるのでしょうか。29歳 女性

A.139.アレルギーのタイプにはT型からW型まであり、その他にIgE抗体に関与しないアスピリン過敏症などがあります。一般にアレルギーと呼ばれているのはT型アレルギーのことです。免疫療法はこの1型アレルギーに対する治療です。この方はT型アレルギーと口腔アレルギーフルーツ症候群(OAS)とアスピリン過敏症があります。免疫療法で前者は緩解が期待できます。アスピリン過敏症は全アレルギー患者の1割から2割に合併すると考えられています。いつ大発作が起こるとも限らないのでエピペンの携帯をしておくのが一番大切です。ステロイドの経口薬では間に合いません。

                               2016.8.29.

A140.私は花粉症を自覚したことはありませんが、近医でIgE抗体を測定してもらったら、スギのIgE抗体が非常に高く治療したほうがいいといわれました。どうしたらいいですか。33歳 女性

Q140.IgE抗体を測定してもらったのは何らかのアレルギーが疑わしいために検査をしたのだと推測されます。花粉のIgE抗体が高くても症状がない人はたくさんいます。症状もないのにクスリを飲むということは通常はありません。他のアレルギーで免疫療法が必要になれば、将来花粉症の発症も考えられますので一緒にしていただいたらいいと思います。

                               2016.8.31.

Q141.アトピー性皮膚炎で顔にプロトピック軟膏を塗っています。少し目にはいって痛いことが時にあります。「目に使用しないでください」と能書きには書いてあります。眼に入っても大丈夫なのでしょうか。 34歳 女性

A.141.大丈夫です。目薬として製品化されてもいます。

                              2016.12.20.

Q142.アトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎です。近医で治療をしてもらっています。免疫療法をするためにプリックテストを行いましたが反応がなく、免疫療法はできないと言われました。このまま塗り薬と抗アレルギー剤の内服を続けていくのでしょうか。できるだけアレルギー体質を治したいと思っているのですが。 22歳 男性

A142.プリックテストがアレルゲンテストで一番感度が高いといわれています。この方の場合はきちんとステロイド軟膏、抗アレルギー剤の内服で治療が行われています。プリックテストは上腕外側で行うことが多いのですが、抗アレルギー剤、ステロイド軟膏の塗布が十分行われていれば、プリックテストで反応しない場合があります。免疫療法をするのであれば舌下免疫療法が有効と思われます。

                               2017.1.24.

A143.私も夫もアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息があります。4歳の男の子がいますが、同じようにアレルギーで悩んでいます。食物アレルギーもあり、ピーナッツ、小麦、卵、大豆、ソバなど何度もアナフィラキシーを起こしています。もうすぐ下の児が生まれますが、将来これ以上アレルギ―で悩みたくありません。どういうふうに育てたらいいでしょうか。 40歳 女性

Q143.A130にも書きましたが、アレルギ―は遺伝ではなくて、環境因子が多くかかわっていることがわかってきました。食物アレルギーになるのも、食べてなるのではなく皮膚、粘膜感作でなることがわかってきました。食物アレルギーを食べないで治すことはできません。英国では生後3か月からアレルギーと書いてある食品をできるだけ多く離乳食にまぜて食べさせる試みが2008年から続けられています。食物アレルギーに対して免疫寛容な状態を作り、感作を起こしにくくするのです。

                               2017.1.25.

A144.スギ花粉症の免疫療法を受け始めて2年目になりますが、思ったほど効果がないように感じます。このまま続けていけばよくなるのでしょうか。 33歳 男性

Q144.免疫療法の効果には個人差があります。1年目から著効する人もいれば、ご質問の方のような人もいます。しかし、あきらめずに続けていけばかならすほぼ完治に近い状態になります。

                               2017.1.26.

Q145.子供がアトピー性皮膚炎です。卵や乳製品を控えたほうがいいのでしょうか。
29歳 女性

A145.今まで何度も書きましたが、食物アレルギーは皮膚、粘膜感作で発症します。
食べたからといって発症するわけではありません。アトピー性皮膚炎をしっかり治療することによって逆に食物アレルギーは発症しにくくなります。

Q146.アトピー性皮膚炎で大学病院や総合病院で数年にわたって治療をしてきましたが、顔の黒さとガサガサが取れません。副作用がこわくて今は漢方医に通っています。
45歳 男性

A146.当院にも時々黒いゴワガワの顔で、ステロイドのせいだといって外来に来られる方がいます。アトピー性皮膚炎は標準治療で必ず治ります。この方の場合は、種火が数年にわたって続いているため、炎症が完全に治まってない状態と考えられます。早く標準治療に戻すのが一番の近道と思われます。

                               2017.1.30.

Q147.小児期からアトピー性皮膚炎です。今、脱ステロイド、脱保湿に加え食事療法でアトピー体質を治そうと懸命に努力しています。花粉症もあります。数ヶ月前からシダトレンの舌下免疫療法を始めて花粉症状はあまり出ずに済んでいます。アトピー性皮膚炎は努力ほど効果が上がってない気がします。先生が今度ダニの舌下免疫療法をしようと言っています。このままつづけていていいのでしょうか。 40歳 女性

A.147.ダメです。この状態でダニの舌下免疫療法をはじめるのはとても危険です。
アトピー症状は必ず悪化します。アトピー性皮膚炎はステロイド剤、免疫抑制剤を使った標準治療できちんと治ります。早くアトピービジネスから抜け出していただきたいと思います。ダニの免疫療法をしてアトピー性皮膚炎を治すのではありません。まずアトピー性皮膚炎を治すのが先です。今後、喘息などのアレルギーマーチを防ぐためにするのであれば有効ですが、アトピーが治っているのが条件です。今始めるのはとても危険です。

                               2017.3.29.

Q148.子供にピーナツアレルギーがあり、何度もアナフィラキシーを起こしています。他のナッツ類も控えていたほうがいいのでしょうか。 42歳 女性

A.148.厳密にいうとピーナツはマメ科の食物で,他のカシューナッツやココナッツとは種類が違います。ピーナツアレルギーの子供が他のナッツ類をたべて、同じようにアナフィラキシーを起こす確率はかなり低いと考えられます。

                               2017.5.18.

Q149.1か月ほど前から会話をすると咳が出ます。1日中出るので周囲に心配されます。食後にも出ます。寝る前まででて、就寝中は不思議と出ません。喉がいがらっぽく、啖が絡まった感じです。飴をなめると落ち着きます。 29歳 女性

A149.これは典型的なGERD(胃食道逆流症)の症状です。当ホームページの「受付カウンターより」に詳しく解説しています。咳喘息やアトピー咳嗽は昼間に咳はあまり出ません。夜間に出るのが特徴です。GERDで夜間、症状がでないのは、食道下部括約筋(LES)が収縮するからです。夜間遅く食事をしないこと、間食にコーヒーやお茶、炭酸類を飲みすぎないことが大切です。

                               2017.9.13.

Q150.ダニの舌下免疫療法を始めました。最初はなんともなかったのですが、数日してから、口腔内違和感、舌のピリピリ感などが出てきました。このまま続けていていいのでしょうか。 39歳 女性

A150.このまま続けるのは危険です。1週間の増量期の間に症状がなく、その後維持量に達して症状が出現した場合は、元の濃度に戻して、しばらく続けていけば、また増量していける可能性があります。これが一番いい方法ですが、それでもダメな場合は皮下免疫療法に変えます。私は今の舌下免疫療法は維持期に達するまでの期間が短い感じがしています。その人の感受性に合わせて期間を延ばす必要があるのではないかと考えています。この点は今後日本アレルギー学会でも問題になってくると思います。

                                2017.9.27.

Q151.スギとダニの舌下免疫療法を受けていますが、スギは朝方、ダニは夕方にしています。できれば朝方一緒にしてしまいたいのですが、どうしたらいいですか。 36歳 男性

A151.これに関しては一定した見解は出ていません。一緒にするのは推奨されていません。朝、夕に分けてするのはいい方法と思います。抗原特異的アナフィラキシーショックはおよそ15分までに起こります。死亡例は30分以内に処置ができてないか、あるいは改善していない場合に限ります。朝方一緒にするのであれば、15分から30分間、時間を開ければ問題ないと思われます。

                                2017.9.28.

 

氷川台内科クリニック 院長 櫻田 ニ友

 

 

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