新型コロナウイルス その33 天然ワクチン
新型コロナウイルスに対してワクチン開発が各国で行われています。今開発されているワクチンには大きく分けて3つあります。ウイルスの断片を細胞の遺伝子に組み込んでウイルスの病原性を弱毒化して作るウイルス生ワクチン、冠状のプラスミドDNAにRNAを逆転写して作ったウイルスDNAを組み込んだDNAワクチン、アジュバンドとウイルスメッセンジャーRNAをつないで作ったmRNAワクチンです。もう第3相試験に入り、年末には供給できるとしている会社もあります。ただし、ワクチンには副反応が付き物です。短期的に局所の腫脹、発赤でとどまればいいのですが、数年にわたった副反応は想像ができません。このまま感染がSARSやMERSのように終息してくれるのが一番です。新型コロナウイルス感染診断のゴールデンスタンダードはPCR検査です。PCR検査で陽性になれば、直ちに感染者扱いで、隔離されてしまいます。インフルエンザで症状の出た人の咽頭ぬぐい液には数億から数十億個のウイルスが検出されます。PCR検査は新型コロナウイルスが10個でもあれば数百万倍に増幅して検出します。これで陽性になった人は感染者とみなされます。症状を引き起こすには最低でも数百万から数千万個のウイルス数が必要です。PCR検査で陽性になった人の93%はウイルス数が10個以下です。この人たちは症状がないにもかかわらず、隔離されてしまっています。100万個のウイルスを持っていても症状が出るかどうかわかりません。大半の人は自然免疫で改善するはずです。連日全国で500人を超える感染者が報告されていますが、この中で本当にウイルスを100万個以上もっていて、かつ症状が出ている人は1〜2人のはずです。残りの人は自然にウイルスと共存していきます。累計で68000人以上の患者が認められていますが、この人たちには自然免疫が成立しています。細胞性免疫が成立するにはそれなりの重篤な症状が認められなければなりません。これが抗体価に反映されます。抗体価を使って過去に感染したかどうか確認できますが、自然免疫で解決できた人は抗体価に反映されません。ほとんどの人が無症状で感染が拡大していると専門家は言っています。この人たちは十分な抗体を持っているわけではありませんが、ウイルスと戦う手段をすでに獲得しています(獲得免役)。PCR検査陽性者を見つけて隔離するということは、獲得免役を隔離しているのと同じです。新型コロナウイルスはRNAウイルスでDNAウイルスのように安定していません。常に変異をつづけています。GenBankのMN908947の遺伝子が2個でもあればPCR検査で数億倍に増幅して感染者にしてしまっています。現在、幸いに子供のクラスターは発生していません。このウイルスがインフルエンザのような伝搬力を身に着けてしまっては、人類は破滅の道に陥ってしまいます。ウイルスも同じ道をたどるわけですから、そうはならないはずです。いちばん進んでいるのはアストラゼネカが進めているウイルスを弱毒化した生ワクチンです。これを接種するかどうかアメリカで調査がありました。37%が接種しないと答えています。ウイルスの変異体がヒトの体内に入ってくるわけで、数年後どうなっているか誰にも分かりません。国が義務化して、保証するのでしょうか。開発されているワクチン以外に「天然のワクチン」があります。それは、自然免疫でウイルスを撃退した人と接することです。無症状者を隔離するのではなくて、PCR検査を逆手に取るのです。PCR検査陽性の無症状者と1時間対面でおしゃべりすれば、「ワクチン」を接種したことになります。日本ではすでにこの「天然ワクチン」を接種して集団免疫が成立していると言っている専門家もいます。
2020.8.31. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
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