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気管支喘息は治らない?


 今日はアレルギー内科診療においてよく聴く質問についてお話します。これまでアレルギーについてたくさんお話してきました。各アレルギー疾患のプロトコール(治療指針)はほとんど出尽くした感があり、これにのっとって治療を進めていけば、必ず好結果につながります。これには本人の努力はもちろんのこと、周囲の協力も必要です。できるだけ早期からこのプロトコールにのっとって治療を進めることが一番の近道です。
 気管支喘息を私はよく台風で倒れた稲穂にたとえます。気道にはたくさんの繊毛細胞がきちんと並んでいます。気道に吸入された老廃物を痰として外に送り出すのもこの繊毛細胞の役目です。この気道粘膜下に好酸球という炎症細胞が集まり気道に炎症を起こし、可逆的な気道の収縮を起こすのが喘息です。この炎症は慢性的に起こりますので、病理学的には気管支喘息のことを「慢性上皮剥離性好酸球性気管支炎」とよびます。
 喘息の治療はこの慢性的に起こっている気道の炎症を断ち切ることにあります。これにはなんといっても吸入ステロイドが一番です。これは、小児でもおとなでも同じです。吸入ステロイドで気道粘膜下から炎症細胞を消してしまうのです。この治療はできるだけ早期がいい。どうしてかというと、炎症が長く続くとその修復過程で「リモデリング」というあやまった修復を行ってしまう可能性があるからです。簡単に言えば台風で倒れた稲穂が手当てしてもきちんと並ばなくなるということです。
 ステロイド吸入はほとんど副作用もなく安全なお薬です。容量を守って使えば全身反応はほとんどありません。「気管支喘息が治るか?」の質問には私はこの吸入ステロイドをいつからどの程度使って治療したかと逆に質問しています。たいてい、症状がおさまってやめてしまった、とほとんどの人が答えます。あるいは、効かないので気管支拡張剤の吸入や内服をつづけているという返事が返ってきます。これでは喘息はいつまでたっても治りません。
 アレルギー性炎症が治まるには最低2週間はかかると私は言っています。これは好酸球という炎症細胞の性格によります。ウイルス感染などの通常の急性炎症細胞は寿命が長く一度破壊されて処理されるとそう簡単に産生されません。ところが好酸球という細胞は寿命が短く半日もあればなんらかの刺激で産生されてくるのです。したがって喘息の完治にはこの2,3週間のステロイド吸入がどうしても必要になってくるのです。症状が治まったら当然減量していきますが、これもできるだけゆっくりがいい。もっとわかりやすく言うと、喘息の治療は症状が治まってから始まると考えていただいてもいいぐらいです。ここが将来的に喘息を引きずるかどうかの分岐点になります。
 また喘息について機会があったらお話します。


2005.2.25. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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