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新型コロナウイルス その47 死亡診断書


 今日は死亡診断書とPCRの関係を考えてみたいと思います。死亡診断書には主たる病名をまず書きます。その病気に影響を与えた合併症「ア、」その原因となる病因「イ、」を記載することになっています。武漢で路上や病院の通路でたくさんの人が倒れている姿、病院のベッドで人工呼吸器に繋がれて苦しんでいる人の姿、都市封鎖の様子が世界に報道されたのが1月23日です。1月20日に横浜港を出港したクルーズ船、ダイアモンド・プリンセス号で新型コロナウイルスが最初に香港で確認されたのが、2月1日です。その後、ヨーロッパやアメリカに飛び火し、現在中南米やインドで急増しているということになっています。日本では、感染者も重症者も横ばい状態ですが、これから冬のインフルエンザの流行期を迎えると、感染者は急増するものと考えられます。オーストラリアは今年の6月から8月がインフルエンザの流行時期ですので、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行による医療体制のひっ迫を防ぐため、5月下旬に政府が昨年より500万回分多い1800万回分のインフルエンザワクチンを準備しました。オーストラリア国内で9月20日までにインフルエンザによる死亡は36人で昨年の同時期の5.1%にとどまり、感染者数も毎日5000人を超えていたのが、数十人、昨年の7.3%にとどまっています。新型コロナウイルスは、10月1日時点で陽性者は27,078人、死亡者数は886人となっています。昨年日本で、医師の死亡診断書にもとづくインフルエンザの死者数は3325人でした。しかし、主病名が他の病気、がんや肺炎、脳卒中、心臓病で合併症「ア、」にインフルエンザと書いてあるのが1万人、合併症「イ、」にインフルエンザと書いてあるのが35000人と推定されています。例えば、主病名が「肝がん」で、主たる合併症「ア、」が「肺炎」、その誘因となる合併症「イ、」が「インフルエンザ」という感じです。1月23日の武漢の映像が本当であれば、日本の今の感染状況は考えられません。もしも同じ強毒性のウイルスだとすれば、路上や病院の通路で苦しんで倒れている人がたくさんいてもおかしくありません。しかし、確実に感染者が毎日数百人報告されています。当院でも唾液によるPCR検査を行っていますが、保険適応でも保険適応外でも陽性者は4%前後です。本日の夕刊各紙で8月の完全失業率が3.0%で、失業者は205万人と発表がありました。また休職中が216万人となっています。合わせると、PCR陽性者の200倍です。PCRはただ、遺伝子の300分の1を切り取ってそれを100万倍に増幅して検出する方法です。もともと感染症の検査には不向きです。中国の論文にも病原体を検出したとは書いてありません。病原体のない感染症は過去にありません。それではなぜ中南米やインドでは感染者が増加しているのでしょうか。これは、死亡診断書に謎が隠されています。各国は新型コロナウイルスによる医療崩壊が一番の課題です。日本ではPCR検査に協力している医療機関の医療従事者一人につき10万円が支払われました。アメリカでは違います。新型コロナウイルスで入院すると一人につき450万円が医療機関に支払われます。「新型コロナウイルス その20 がん」にでてくる「Vanderbilt University Medical Center」の報告で、肺がんで亡くなる人の70%が肺炎でPCR陽性者が9割いると書いてありました。日本では、死亡診断書は主病名が「肺がん」、主たる合併症「ア、」が「肺炎」、その誘因となる合併症「イ、」が「COVID―19」ですが、実はアメリカでは「肺がん」が主病で死亡しても主病名が「COVID−19」です。そうでないと医療費が高く、すぐに医療崩壊につながってしまうからです。


2020.10.2. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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