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減感作療法についての詳細


 特異的減感作療法についてメールその他でかなりの御質問があり、ここでまとめてその詳細についてお話します。意義についてはこれまでたくさんお話してきましたので、ここでは具体的な方法についてお話します。
 まず減感作をする時期ですが、これは1年を通じて一番体調の良い時期にします。スギ花粉症であれば花粉症状が落ち着いてからです。抗アレルギー剤も要らなくなってからが良いと思います。ハウスダスによる喘息などの人は必然的に夏が中心になります。これはアレルゲンを注射するわけですから、症状があるとわずかな抗原でも症状を増悪させることがあるからです。したがって1年中慢性蕁麻疹などのアレルギーで内服が欠かせない人は減感作の対象になりません。
 減感作を開始するにあたっては全員の方にアレルゲン閾値テストをうけていただきます。これは抗原の注射によるアナフィラキシーショックを防ぐためです。これは実際にスギならスギのアレルゲンを10倍、100倍、1000倍、10000倍、100000倍、1000000倍、10000000倍に薄めて皮内テストをします。このテストの前2週間は原則抗アレルギー剤の内服は避けます。これはテストそのものが抗アレルギー剤で修飾されるからです。テストの時期は施設によってまちまちだと思うのですが、当院では5月下旬から6月にかけておこなっています。これはスギ花粉症で減感作をする人の約半数にダニ、ハウスダストアレルギーがあるからです。症状は秋から冬にかけて増悪しますのでこの時期の減感作ができにくい。また年末に差し掛かってくると何かと家庭その他の用事で忙しい、スギ花粉はすでに1月初旬には飛散が始まってしまう、というのが理由です。
 減感作はアレルゲン閾値テストをおこなってその濃度のおおよそ100倍から1000倍で開始します。徐々に濃度を上げながら0.03ml、0.05ml、0.07ml・・・・・・、0.1ml、0.3mlと1週間にほぼ1回から2回程度注射していきます。注射と注射の間隔は均等が良いですが、2週間以上はあけないようにします。仕事の都合でどうしても早く終わらせてしまいたいという人は毎日でもかまいません。ただ印象として、週2回くらいがベストのような気がします。発赤径が5cmを越えた濃度がその人の閾値です。あとは月に1回程度症状に応じて外来で注射をつづけます。来年スギ花粉症が多いときは前もって少し濃度を上げることがあります。最低2年くらいはつづけてほしいのですが、症状がなくなってこられなくなってしまう人もいます。効果は人によってまちまちですが、総じて年齢の若い、アレルギーの罹患年数が少ないほうが効果があります。当院は内科ですができれば小児科の先生が積極的にやっていただくとアレルギー疾患の全体像は大きく変わってくるような気がします。
 特異的減感作療法は保険適応になっています。1回の注射は濃度によって異なりますが、3割負担で大体400円から600円くらいです。紙面がなくなってきましたのでまたの機会にお話します。


2005.5.31. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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