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新型コロナウイルス その63 トラフグ


 最近葉山沖の相模湾に出ると、10年程前までには見たこともない光景が現れます。数十頭を超えるイルカの大群が現れたり、水面に乱舞するマグロの群を見たりもします。先日もヨットから釣り糸を垂らしていたら、黒潮に乗ってやってきたのか、体長50cmほどの大きなトラフグが釣れました。今まで釣ったこともないし、食べたこともありません。釣ったのはいいが、自分でマグロやカツオのように料理ができません。知り合いに頼んで横須賀の料亭で捌いて料理してもらうことにしました。横須賀市内の旧商店街の通り沿いにあり、そこのおかみさんの三男で麻布のフグ料亭で就業を積んできたということでした。息子3人と父の後をついで、小さな料亭をきりもりしています。マスクをつけて汗だくになって調理しています。フグ料理は強毒テトロドトキシンがあるため、すべての料理が済んで、お客さんがみんな帰ってから調理場をふぐ専用に整理してから料理を始めます。刺身や空揚げ、白子焼などを堪能した後、やはりコロナの話になりました。おかみさん曰く、この半年間本当に大変だった。裏に病院があるが、2階と4階がコロナ病棟で、近くの港町でクラスターが発生し、漁師さんたちがコロナに感染して、たくさん入院した。ほとんどが軽症か無症状だが、すべて隔離されたという。中には数千万円の借金をして破産してしまった網元もいるということでした。日曜日の午後6時というのに商店街はほとんどシャッターが閉まっていて、人影もまばら、町そのものが閑散としていました。これが横須賀市内かと思うばかりでした。店も開けられず、一番は消毒に使う水で、水道代が跳ね上がってしまったとおかみさんはこぼしていまいした。トイレや座卓は暇さえあれば、消毒していました。日本中のお店がこんな状態になっているのかと思うと、せっかく料理してもらったのに重苦しい気持ちになりました。私は、新型コロナウイルスというウイルスは常在性のもので、無症状者からの感染はないこと、重症化することはほとんどないこと、マスクや手袋、消毒は必要ないことなどをお話ししました。すでに時間は10時を過ぎていました。日本には科学研究費助成事業(通称;科研費)と呼ばれるものがあります。年間およそ2400〜2600億円ほどですが、大学の研究室はこの科研費がないとやっていけません。研究計画書をたてて申請するのですが、今コロナ禍のせいでなかなか研究費がおりません。しかし、新型コロナウイルスに関する研究費だけはおります。コロナウイルス感染症の後遺症で髄膜炎を起こした患者の髄液中にコロナウイルスがいたという研究が昨日報告されました。ウイルスの侵入経路は咽頭粘膜や気管支のACE受容体です。ここにウイルスが存在せずにどうして、髄液中にウイルスがいるのでしょうか。コウモリ由来の新種のコロナウイルスがまだ80種以上あり、PCRでそのうちの1つを見つけた。将来人に伝搬することになるかもしれない、と大学の研究者が真剣な顔で話しています。いったいどうしたのでしょうか。完全になにか分からない不思議なものにとりつかれている感じです。科学者も先ほど出てきた漁師さんたちと同じで生活が懸かっています。新型コロナウイルスを研究の中心に置かなければ、研究が続けられないのです。今コロナの第3波がやってきたと騒いでいますが、寒くなり、乾燥した日が続くと、咽頭粘膜や気管支粘膜は弱ってきます。特に新型でなくてもウイルスは侵入しやすくなります。風邪の患者が増加するのは最初からわかっています。新型コロナウイルスの第3波ではなくてPCR検査の第3波です。PCRで「新型」といわれるウイルスの遺伝子に似たものを見つけて騒いでいるだけです。日常の生活を変える必要はまったくありません。


2020.11.16. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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