新型コロナウイルス その76 感染者
感染とは生物の体内もしくは表面に、より体積の小さい微生物等の病原体が寄生し、増殖するようになること。また、侵入のその過程。それによっておこる疾患を感染症と言い、感染した人を感染者と言います。病原体や宿主によって感染が生じる場所(感染部位)は限られており、感染が起きるためには、病原体の特定の入り口(侵入門戸)から特定の感染経路(侵入経路)を経て、感染部位に十分な数だけ到達する必要があります。例えば、食中毒のサルモネラ菌は、手から食物などを介して口(=侵入門戸)に入り、そこから消化管(=侵入経路)を通る過程で唾液などに含まれる殺菌成分や食道粘膜の白血球、胃液など、さまざまな生体防御機構による攻撃を逃れて、感染部位である腸管のM細胞に到達、その後、粘液を経由して血流に入り、全身感染します。宿主はその病原体を排除しようと試みますが、その排除が働かない、または追いつかなくて持続します。また、宿主が故意に排除せず、宿主と寄生体の共存状態になり、これを「寄生」と呼びます。宿主と寄生体の関係は宿主=寄生体として成立し、臨床的にはこの状態を「保菌」と呼びます。病原体による感染が成立しても、必ず発症するとは限りません。増殖した微生物のうち宿主にとって病原性があれば発症します。発症とは宿主と寄生体側の両方の作用により宿主に何らかの病状をもたらした場合をいいます。これを「感染症」と言います。発症した人を「感染者」と言います。1.寄生体が宿主に勝った場合、宿主は死亡します。2.宿主が寄生体に勝てば宿主による寄生体の排除、臨床的には治癒です。3.宿主と寄生体の共存関係が維持されれば、感染は持続しますが、症状がでない状態が続きます。これを不顕性感染と言います。現在さかんにPCR検査が行われていますが、PCR陽性者=「感染者」ではありません。95%の人が発症していません。国立感染研はPCRのプライマーとなる遺伝子情報を公開しています。CACATTGGCACCCGCATCとGAGGAACGAGAAGAGGCTTGです。これをもとに40〜45サイクル熱を上げ下げしてよく似た遺伝子を探します。ヒトゲノムは約60億塩基対です。これに常在性ウイルスや微生物も加えると80億塩基ほどの遺伝子情報が混在していることになります。地球の人口は現在約80億人ですが、これは80憶通りの違った遺伝子情報を持っているということです。プライマーとなる塩基は昨年1月7日の「Nature」に発表された中国の論文がもとになっています。RNAウイルスはもともと変異が激しく、1年が経過した今、この遺伝子情報をプライマーとしてPCRしても意味がありません。ヨーロッパで新型コロナウイルスの強毒型が話題になっていますが、変位した形のままウイルスが3週間人の体に寄生するのは不可能です。現在医療崩壊が懸念されていますが、東京都には3000台以上の人工呼吸器があります。1月7日現在、重症者に使われている人工呼吸器は76台で、全体のわずか3%です。昨年4月のピーク時にも達していません。これはコロナ患者を受けいれている病院が大病院に限られるからです。おまけに指定感染症になっているため、無症状でもPCR陽性になると、長期入院させなければなりません。医療崩壊寸前となっているのは実は大規模病院だけで、小規模病院は受診控えもありガラガラ状態です。この医療状況は欧米でも同じです。地域の中核を担う病院でもあるため、コロナ患者が入院したという噂だけで、病院そのものの経営が成り立たなくなります。国はPCR陽性者を1人入院させれば450万円を支給すると言っていますが、そんな口車に乗る病院はありません。PCRを止めて、指定感染症の指定を外し、特別措置法をなくせば、患者は臨床医が安心して治療できます。その代わり、官僚や知事の仕事はなくなってしまいます。これが怖くてPCRを続けているのではありませんか。
2021.1.8. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
|