新型コロナウイルス その82 ブラックホール
2017年4月、ハワイ、南米、北米、南極などに設置された8つの電波望遠鏡を使って地球規模の超巨大望遠鏡を作り、ブラックホールをとらえる国際プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」が発足しました。5日間の世界同時観測の後、2年がかりで解析が行われ、2019年4月10日、地球から6000万光年離れたおとめ座にあるM87銀河の中心にある超巨大ブラックホールの撮影に史上初めて成功しました。100年前、アインシュタインは一般相対性理論で重力が大きくなると時間と空間がゆがみ、ゆがみが極端に大きくなると光さえ出られなくなるブラックホールになると予言していました。その存在をはじめて画像で証明しました。ホールの直径は400億キロ、およそ天の川銀河がすっぽり入る大きさです。質量は太陽の約65億倍です。周辺のガスを引き込み、その摩擦で60億度の高温になり、光り輝いて見えます。天文学者がブラックホールの観測を続けているのは、実は地球や人類の誕生に密接に関係するからです。宇宙が誕生したのは約138億年前で、130憶光年先の天体を観測すれば地球誕生の謎が解けると考えられています。ブラックホールに落ちると物質は引き延ばされ、一般相対性理論が通用しない特異点に到達しますが、それ以降はどうなるかはわかっていません。ブラックホールは物質を飲み込むだけではありません。周りのガスを使って中心からジェットを放出します。その大きさは5000光年にもなります。これが光り輝いています。この観測でおよそ100億年前が天体のベビーブームということもわかりました。宇宙には数千億個の銀河が存在します。最近天体の元素の比率がどの天体も一定であるということもわかりました。人体は約80種の元素で構成されています。これは100〜120億年前の超新生爆発により誕生しました。これがブラックホールにより攪拌され宇宙全体に広がりました。人体は酸素65%、炭素18%、水素10%、窒素3%、カルシウム2%、リン1%、その他1%で構成されています。これらの元素のもとになっているのが、実はブラックホールだったのです。最近新型コロナウイルスの変異株が話題になっています。RNAウイルスはもともと変異が激しく、一時点での形をとらえ続けることには限界があります。変異株をいくら追いかけて行ってもきりがありません。強毒、弱毒、ワクチンが効きにくいというのは臨床的な問題です。起こった現象を解析しているだけで、それにもPCRが使われています。このPCRが使われていることそのものが問題です。年末年始にかけてPCR陽性者が増えたのは、寒冷と乾燥でウイルス変異が少なくなったのと、ヒトの気道粘膜が逆に脆弱になったからです。WHOは1月中旬にPCRのサイクル数を台湾なみの30〜35回に下げることを提言しました。その直後から世界の感染者数は半減に転じました。3月1日、オーストラリアの新規感染者が5カ月ぶりにゼロと報じられました。しかし依然として隔離政策を止める気配はありません。世界の感染状況がそうさせています。日本だけが少なくなっても渡航者が持ち込めば東京オリンピックはできません。ワクチンを接種すれば、感染が収まるわけでもありません。イスラエルは人口の約8割が接種しているにもかかわらず、感染率は日本の約3倍です。当院でもPCR検査を昨年6月から続けていますが、臨床的には季節性ウイルスと同じです。肺炎の患者でPCR陽性者はこれまで1人しかいません。ブラックホールハンターは人類の起源を探るために少ない予算で毎日夜空を眺めています。しかし、新型コロナウイルス研究者は超新生爆発で誕生した天体(変異株)ばかりを探し、ブラックホール(新型コロナウイルス本体)を見ようとしません。莫大な予算を使って研究のための研究を続けています。
2021.3.2. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
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