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新型コロナウイルス その83 裸の大様


 昔々、ある国に世界中でおこる感染症を管理するWHO(世界保健機関)という団体がありました。その権力は強大で、どこかで新しい感染症が流行すると、そのための感染抑制対策を議論します。また感染が広がらないようにクスリやワクチンの開発を指揮します。それには膨大な費用が掛かりますが、加盟各国や製薬会社、ワクチンメーカー、その他の慈善団体からその資金は提供されています。この団体のテドロス事務局長は検査が大好きで、毎日世界中から新しい検査法があると聞くとすぐに検討するよう指示していました。感染症対策に正確な検査は不可欠だからです。ある時、中国の内陸部で謎の肺炎が流行しました。わずか2カ月足らずの間に千人近くの人が罹患しました。近くの研究所から、その原因は新種のウイルスではないかという報告が上がりました。最初は一部の地域の小さな流行と考えていましたが、その感染症はあっという間にヨーロッパに波及しました。重症者も徐々に増えてきました。中国では感染した都市ごとロックダウンしました。この映像が瞬く間に世界中に広がりました。中国ではまもなく流行は収まりましたが、ヨーロッパに波及した感染症はアメリカやインド、南米、アフリカなど世界中に広がっていきました。テドロスはパンデミックの宣言をしました。新種のウイルスの出現であることは間違いない。しかし、診断方法がありません。様々な治療法が試みられましたが、有効な薬剤も見つけられませんでした。WHOが手をこまねいていたところに1本の電話がテドロスのところにかかってきました。ドイツのシャリテ・ベルリン医科大学のウイルス学研究所のドロスデン教授からでした。中国の研究所と同様に、患者の肺の洗浄液を使って院内にある簡易PCRキットで検査したら、新種のウイルスと同じ遺伝子が見つかったというのです。PCRとはPolymerase Chane Reactionの略で、1987年、アメリカのノーベル化学賞受賞者、キャリー・マリスが発明したものです。2コピーのウイルスを数億倍に増やして診断する優れた検出器です。現在、犯罪捜査にも使われていますが、その的中率は百京の単位です。マリスはRNAウイルスの診断に使ってはいけないと言い残して、この感染症が発生する2カ月前に謎の死を遂げました。テドロスは困ってしまいました。一番相談したかった相手が亡くなってしまったからです。そうこうしているうちに感染は拡大していきます。ぐずぐず考えている余裕はありません。世界に向けて診断のスタンダードとなる方法を発信しなければなりません。テドロスは、マリス博士の遺言を無視してドロスデン教授の助言に従って、PCRを診断のスタンダードとすることにしました。多くの感染症研究者は反対しましたが、これといった診断法が他に見つからなかったのです。その後、PCRは世界の隅々にまでいきわたりました。タンザニアではパパイヤやマンゴー、サル、ヒツジ、車のオイルからも検出したと科学者である大統領が怒っていました。アマゾンの内陸部でも原住民から検出されました。マダガスカルではPCRもクスリも必要ない、薬草茶で治療できると大統領が明言しました。しかし、WHOはそのマダガスカルでも説得を重ねPCRを行いました。2コピーを数億倍に増やして検出するわけですから、陽性者がでるのは当然です。医療崩壊を防ぐために各国首脳は死亡した人は、がんでも脳卒中でも交通事故でも必ずPCRを行い、陽性であれば死亡診断書に「新型コロナウイルス関連死」と書くように各医療機関に指示しました。こうして感染者数や死亡者数は拡大して行きました。感染者数が減少に転じても、下げ止まってしまうのはPCRをおこなっているからです。約60億塩基のヒトゲノムは約半数がウイルス由来です。風邪のウイルスの約15%はコロナウイルスです。PCRを続けて人を隔離しても最終的な解決にはなりません。「裸の大様」のパレードはいつまでも続きます。というお話でした。


2021.3.9. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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