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新型コロナウイルス その91 日本記者クラブ


 日本記者クラブの目的は「会員のジャーナリズム活動や報道を通し、広く国民が共有する情報となることにより、国民の知る権利、国民生活の向上安定、および国際相互理解の促進に資すること」となっています。政治・経済・福祉・医療、環境問題等、国策に関わる情報はすべてこの日本記者クラブから発信されます。国民は発信された情報がまず間違いないと信じて、新聞、テレビを見ていることになります。5月11日、ここで現在日本の免疫学のトップといわれる大阪大学免疫学フロンティア研究所教授の講演がオンラインでありました。ほぼ1時間の講演で、その後記者による質疑応答が30分ほど行われました。まず冒頭のスライドで昨年1月7日に中国上海の研究グループが「Nature」に発表した新型コロナウイルスの遺伝子配列が出てきました。私はこれを見て、大変驚きました。新型コロナウイルスに関連する論文は、現在世界で100万本を超えると思われます。これらすべての論文がこの「中国論文」を引用しています。この論文の不可解なことは多くのウイルス学者が指摘しています。まず患者の肺胞洗浄液を採取する方法(Balf)です。気管支鏡を使い、右か左の中間気管支幹に生理食塩水約50mlを入れて回収してきますが、回収率は98%以上なければいけません。この過程と結果、また何回行ったか全く記載がありません。上清液を除去し、細胞を取り出しますが、その方法も過程も書いてありません。取り出した細胞は3時間もすれば死んでしまいます。したがってすぐに培養液に入れる必要がありますが、この方法も過程も書いてありません。いきなり、3万塩基の遺伝子配列が出てきて、新しいウイルスの可能性がある、と結論づけています。インフルエンザ、RSウイルス、マイコプラズマウイルス、レジオネラなどは鑑別していますが、どのように鑑別したかは書いてありません。旧型コロナウイルスもSARS、MERSもおよそ3万塩基です。この遺伝子配列を詳しく説明した後に、高齢者の重症例が多い理由の説明がありました。免疫力が低下しているためインターフェロンの産生が落ちているからだと述べていましたが、それでは子供が感染しない理由が説明できません。もともと、この先生は昨年4月頃、日本が欧米に比べて感染者が少ない理由、BCGの影響、集団免疫説等をさかんに発信していました。最後のスライドでは、このコロナ危機を乗り切るにはワクチンしかない、どんな変異株にも対応できると述べています。ワクチンの副作用で死亡する確率は飛行機事故と同じで、交通事故の10分の1とも述べていました。ある記者がワクチン陰謀論について質問すると、「ばかばかしい」、「報道そのものが問題だ」、「いい加減にしてほしい」と、激高した口調でした。ワクチンを接種しても、これまでと同様に二重マスク、換気が重要だとも述べていました。昨年4月頃の科学者らしい品位のある姿が全くなくなっていました。理路整然として、まるで政治家の講演会を聞いているような雰囲気でした。講演を聞いた記者たちは早速会社に帰って、新聞記事やテレビで報道します。それを見ている視聴者に疑問は全く湧いてきません。記者が信じて疑ってないからです。昨日、厚労省が発表したワクチン接種後の死亡者は、因果関係が不明にしても196人です。世界で変異株が流行している地域を見てみると、イギリス株、ブラジル株、南アフリカ株等、すべてが、まだ治験も終わってない英アストラゼネカ社のワクチンを早々と接種してきた国々です。おそらく、世界の国々でもこのようなプレス講演が行われているのでしょう。この講演を聞いた朝日新聞の記者が、先日の夕刊の小さなコラムで「何か恐ろしい気がする」と素直な気持ちを吐露していました。記者は御用学者の御用利きではありません。その記事や報道を数百万の人が見ていることを忘れないでほしいと思います。それが日本記者クラブの使命です。


2021.6.15. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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