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新型コロナウイルス その93 ブレークスルー感染


 東京オリンピックの熱戦が連日行われている中、東京では先日ついに感染者が過去最高の3000人を超えました。当院でのPCR検査数は昨年4月から今日まで206人、陽性者はそのうち21人です。今まで陽性者は月に1〜2人でしたが、この2カ月ほどで、10人が陽性になりました。臨床的にみてもPCR陽性者は増えています。しかし、症状はほとんどが軽微か無症状です。これは、マスコミが不安を煽って受診者が増えたせいもありますが、それだけでは説明がつきません。昨年1月からのコロナ禍の流れを見てみると、緊急事態宣言を出すたびに、感染者が倍増しています。この経過を専門家はどうとらえているのでしょうか。昨日、菅総理は感染の拡大による五輪への影響について「人流は減少している。心配はない」と述べましたが、政府の新型コロナ分科会の尾身会長は「緊急事態宣言が出て徐々に減っているが、期待されているレベルには残念ながら至っていない」、また「入院や重症者の数が増えている。入院調整や宿泊療養、さらに自宅で療養している人も急増している」と述べ、医療逼迫の懸念を示しました。そのうえで、「一般の人々に十分な危機感が伝わっていないということが、大きな一つの原因だ。日本の社会みんなが危機感を共有することが今非常に重要だ」と語りました。私はこの考えに大きな違和感を覚えます。危機感を共有しているからこそ、飲食店は時短営業をし、酒類の提供を止め、小学校ではシールドを挟んで、楽しいはずの昼食をまっすぐ前を向いて黙って食べているのです。全身倦怠感、呼吸困難感を訴える患者も増えてきました。よく聞いてみると、夜寝ているときにもマスクをして寝ています。マスクのせいで下肢や肺静脈に血栓が見つかった患者もいます。ワクチン接種は4700万回を超えています。「一般の人に十分な危機感が伝わっていない」とはとても思えません。東京オリンピックでは昨日までに関係者169人の無症状のPCR陽性者が確認され、出場辞退を余儀なくされました。ワクチン接種を完了してから14日目以降に陽性と判定された症例を「ブレークスルー感染」と言います。今月15日に大リーグ・ヤンキースの選手6人が2度目のブレークスルー感染を起こしました。東京オリンピックの関係者169人もブレークスルー感染です。何のために4年間努力して東京にやって来たかわかりません。米ロサンゼルス市は、6月の新規感染者の2割がブレークスルー感染と公表しました。世界一のペースでファイザーのワクチン接種を進めてきたイスラエルは、政府が27日、重症化リスクのある5〜11歳の子供のワクチン接種に乗りだすことを決めました。英国は3回目の接種を始めました。新型コロナウイルスは、生き残るために毎日のように変異を繰り返しています。現在主流はインドのデルタ(δ)株ですが、現在まで、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、η(イータ)、ι(イオタ)、κ(カッパ)、λ(ラムダ)などが発見されています。そのうちω(オメガ)までいって、ギリシャ文字では補えないぐらいの変異株がメディアを賑わすのでしょう。PCR検査は新型コロナウイルスの遺伝子から取り出したわずか300コピー程の断片の一部をプライマーとして使います。夏風邪の原因、アデノ、エコー、エンテロ、コクサッキー等のウイルスを検出しているのかもしれません。また今年は6月から乳幼児にRSウイルスが大流行していますが、この可能性も否定できません。mRNAワクチンに含まれるDNA、またヒトゲノムも検出します。熱中症で救急搬送され、死亡した患者がPCR陽性であればコロナ関連死となります。現在、新型コロナウイルス感染症は、致死率60%を超えるエボラ出血熱やマールブルグ熱とほぼ同じ扱いの第2類感染症です。この感染者のほとんどが日本全国で自宅待機中の状態です。第2類感染症を改め、PCR検査を止めるしか終息への道はありません。


2021.7.29. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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