新型コロナウイルス その103 mRNAワクチン
新型コロナウイルス感染症の発生状況が、連日報道されています。グラフを見るとそのピークがいつだったかわかります。第1派のピークは2020年5月2日、第2派が8月2日、第3派が2021年1月7日、第4派が5月4日、第5派が8月20日、第6派が2022年2月2日です。第4派までは1日の新規感染者のピークは多くても100人前後でしたが、第5派では22,000人、第6派では100,000人を超えました。第1回目のワクチン接種のピークは2021年6月30日、2回目は3週後ですので7月20日です。3回目の接種は現在国民の30%前後で2022年3月1日をピークに増えていませんが、続いています。第5派の感染のピークは2回目のワクチン接種が始まってちょうど1か月後です。その後年末に向かって新規感染者のピークは下降していき、年末年始には1桁台になって、このまま収まるのではないかと思われました。ところが1月初旬からわずか1か月で100,000人を超えました。第5派までのように簡単に収束せず、いまだに50,000人を超える新規感染者が出ています。政府は第4回目のワクチン接種も考えているようですが、すこし立ち止まって考えてみる必要があります。すべてのワクチンは病気の発生を予防するためにあるものです。このグラフをじっと眺めているとどうも発生を予防しているように見えません。インフルエンザのような不活化ワクチンの効果は抗体が最大になる3〜4週目が一番有効です。その後徐々に抗体価は下がり、4か月目には20%程度に落ちていきます。そのため小児や基礎疾患のある人には1か月後にもう一度接種し抗体価を上げることを目指します。これをブースター効果といいます。新型コロナワクチンは効果ばかりが報道されていますが、このグラフをよく見ると、通常のワクチンとは異なり、接種後1か月目に感染のピークがあります。これは通常ではあり得ない現象で、感染予防になっていません。テレビに出てくる専門家はこの時、感染を防ぐことが出来なくても重症化を防ぐことができると、言い訳ともとれる説明をしていました。感染を防いで重症化しないようにするのがワクチンの目的のはずです。もう一つ問題があります。新型コロナウイルスはRNAウイルスで、そのゲノムは約30,000塩基で構成されています。mRNAワクチンはそのスパイクタンパク質の30塩基×2対を取りだして作られています。本来であれば、ワクチンはウイルス本体を不活化あるいは弱毒化して作らなければなりませんが、本体がないので仕方がないのです。ウイルス全体のゲノムのわずか0.2%を遺伝子組み換えしてできたものです。95%の有効性があるとはとても思えません。当院でPCR検査を始めたのは2020年5月ですが、第4派まではPCRの陽性率は4%に過ぎませんでした。その後511人のPCR検査を行いましたが、昨日までに138人の陽性が確認されました。陽性率は27%で、約7倍に増加しています。PCR検査は新型コロナウイルスの一番端のヌクレオチドの部分、約100塩基を取り出して判定します。もしもmRNAワクチンのゲノムとPCR検査に使うプライマー(20塩基×2対)のゲノムに一致する部分があれば当然PCR陽性となってしまいます。中国武漢での発生からすでに2年半が経過しようとしています。PCR検査が最大の問題ですが、mRNAワクチンが追い風になっています。
2022.3.16. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
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