新型コロナウイルス　その１１１　ラッサ熱

　５月８日に２類から５類に変更になります。これについて、本日の朝日新聞で、「科学的検証　欠いた３年、いつか見た光景」と論評していました。使われた対策費は１００兆円を超えました。人類の歴史は感染症との闘いで、紀元前７００年にはエジプトのミイラに天然痘の痕跡が認められています。１４世紀にヨーロッパの人口の約半数が亡くなったペスト、５億人が感染し５０００万人が亡くなった１９１８年のスペイン風邪（Ｈ１Ｎ１インフルエンザ）、１９８１年から約３０年間で７８００万人以上が感染し、３９００万人以上が亡くなったエイズ。今でも世界中で結核、マラリア、エイズで毎年２５０万人が亡くなっています。１９６９年、ナイジェリア、リベリア、ギニア、シェラレオネ等西アフリカで謎の疫病が流行りました。１〜３週間の潜伏期間を経て、風邪症状で発症しますが、重症化すると体温は４２．９度にまで上昇し、吐血、下血などの消化管出血、脳炎、胸膜炎、心内膜炎、ショック、ＤＩＣを引き起こし死亡します。米国ＣＤＣが調査に乗り出しましたが、調査に当たった医療関係者の中からも多くの犠牲者を出しました。致死率は７０〜８０％で、日本でも１９８７年３月、シェラレオネから帰国した人が発症しましたが、幸い回復しました。１９７３年にウイルスが分離され、Ｍａｓｔｏｍｙｓ　ｎａｔａｌｅｎｓｉｓという野ネズミを介してヒトからヒトに感染することがわかりました。現在でも２０〜３０万人が感染しているといわれています。２００１年、Ｃ型肝炎の治療薬、リバビリンが有効と分かったため、現在致死率は２％程度にまで下がっています。ラッサ熱はウイルス性出血熱と定義されており、他にマールブルグ熱、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱があります。これらは１類感染症で対応はＢＳＬ−４で行います。２類感染症は結核、ＳＡＲＳ、ＭＥＲＳ、鳥インフルエンザ（Ｈ５Ｎ１）等、３類感染症はコレラ、赤痢、腸チフス等、４類感染症は西ナイル熱、マラリア、Ａ型肝炎、黄熱病、狂犬病、サル痘等、５類感染症は梅毒、インフルエンザ、水痘、麻疹、風疹、破傷風、エイズ等です。エイズが５類感染症なのは、発症までの潜伏期間が長く、有効な抗レトロウイルス薬が開発されたため、感染者の平均寿命が非感染者と変わらないためです。しかし、世界中で治療の機会がないまま亡くなっている人が多いため指定感染症になっています。もう一度、２０１９年１０月１８日、ニューヨーク、Ｔｈｅ　Ｐｉｅｒｒｅで行われた世界経済フォーラム/ビル＆メリンダ・ゲイツ財団の合同開催、コロナウイルス：アジェンダ２１　「Ｅｖｅｎｔ　２０１」のパンデミックシミュレーション映像を見直してみました。最初にセオドア・ルーズベルト大統領の言葉　「政治に偶然はない。それが起きたのは、事前に計画されたからである。」　その後、ＣＮＮニュースが流れます。「パニック」　「ロックダウン」　「Ｎ９５マスク」　「テレワーク」　「サプライチェーン」　「ワクチン」　「陰謀論」　「変異株」　「株価暴落」　などなど、私たちが今まで見聞きしてきたことが、映像で展開していきます。最後に「神はあなたを救いだしてくださる。仕掛けられた罠から、陥れる言葉から。神は羽をもってあなたを覆い翼の下にかばってくださる。神のまことは大楯、小楯。夜、脅かすものをも，昼、飛んでくる矢をも、恐れることはない。暗黒の中を行く疫病も、真昼に襲う病魔も、あなたの傍らに一千の人、あなたの右に一万の人が倒れるときすらあなたを襲うことはない。詩編　９１：３―７」　この２か月後、武漢で初の新型コロナウイルス感染者が確認されました。「いつか見た光景」とは、すでに計画されていた新型コロナウイルス感染症の「シナリオ」だったのです。

２０２３．１．２８．　氷川台内科クリニック　院長　櫻田　二友