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新型コロナウイルス その112 ワクチン後遺症


 2021年12月24日の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の資料によると、ワクチン接種後の死亡例として報告されたものは、接種開始後1402件です。そのほとんどが因果関係不明となっています。約半数が接種直後のアナフィラキシーです。ただ死亡に至らないまでも副反応症状が持続するものがあり、これを後遺症と呼びます。倦怠感、微熱、味覚・臭覚障害、咳、痰、呼吸困難、動悸、脱毛などです。この症状を一つ一つ見ると、まるで新型コロナウイルス感染症に罹患した時の症状とそっくりですね。これには理由があります。ヒトゲノムは約32億塩基対から構成されています。その遺伝情報が、細胞の一つ一つに詰め込まれています。ゲノムDNAは4種類の塩基、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)があります。遺伝子組み換えワクチンは新型コロナウイルスのスパイクタンパク質、20塩基×2対を取って、これをプライマーとして使います。したがって。後遺症の数は4の40乗=1208925819614629174706176通りあることになります。感染者の症状とワクチン接種後の後遺症の症状が似ているのは、新型コロナウイルス遺伝子の一部が使われているからです。しかし、新型コロナウイルス=新型コロナワクチンではありません。新型コロナウイルスは主に咽頭、口腔粘膜から飛沫あるいは接触で感染します。粘膜や血管内皮のACE‐2受容体を介して細胞内に侵入、増殖して症状を出します。通常は自然免疫や液性免疫、細胞性免疫でウイルスを撃退します。様々な化学物質がでて、これが脳に指令を送ります。脳からはIL−2、IL−13などのサイトカインやケモカインがでて、高熱を出します。この熱がウイルスを攻撃します。ウイルスの勢いが激しいと肺炎や脳炎、心筋炎を引き起こします。この一連の現象を臨床症状といいます。したがって、臨床症状が出るためには、どうしてもウイルスが咽頭、口腔粘膜から入る必要があります。一方、ワクチンの場合、新型コロナウイルスはRNAウイルスで遺伝子としてはとても不安定です。プライマーとなる遺伝子を取り出しても細胞に侵入する方法がありません。ウイルスの遺伝子の両端を修飾してメッセンジャーの形を作ります。片方に炎症を起こす活性をもったRNAをアジュバントとしてつなぎ、ここだけを2本鎖にします。このままではすぐに分解されてしまうので、リボゾームのような働きをするLNPで包みます。この形で細胞内に注入すると、そこで炎症が起こります。ここにマクロファージ、好中球,リンパ球などの炎症細胞が集まってきます。筋肉内のウイルスタンパクをマクロファージが貪食し、リンパ球にその情報を伝えます。免疫応答がおこり、抗体が産生されます。したがって、ウイルスが細胞内に深く侵入し、重症化して初めてワクチンとしての効果を発揮します。どちらかというと、ワクチンというよりも治療薬に近いといっていいと思います。ワクチンの後遺症がいつまでも持続するのはLNPが脂溶性で体内から出ていかないからです。遺伝子組み換え食品は胃で消化され、主に大腸で栄養分が吸収されます。その時、体に悪いものは吸収できない仕組みになっています。しかし、遺伝子組み換えワクチンは、細胞内に直接放り込まれるため、取捨選択できません。これから起こる後遺症も想像できません。不活化ワクチンや弱毒生ワクチンの開発のように5年〜10年かけて検証が行われたわけでもありません。あくまでも緊急承認されて使われたものです。ゲノム編集は治療薬としての展望は期待できますが、ワクチンとして使用するにはまだ時間がかかりそうです。とくにRNAウイルスは変異が激しく、ワクチンでいくら追っかけても、するりと逃げてしまいます。

 


2023.2.27. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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