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睡眠時無呼吸症候群 その2


2003年2月に居眠り運転を起こした山陽新幹線の運転手が実は睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)であったことがマスコミで大々的に取り上げられた直後から一般にも徐々に認知されるようになった。その後1979年のスリーマイル島原発事故、1986年のスペースシャトル:チャレンジャー号の爆発事故、2007年のエクソンモービル石油タンカー:バルディーズ号のアラスカ沖の座礁事故などがSASに関連した事故と判明した。つい先日の新聞でも高速道路の事故の大半にSASが関連していることが報告されていた。「成人の睡眠時無呼吸症候群診断と治療のためのガイドライン」によれば、OSAS(閉塞型睡眠時無呼吸症候群)の発生頻度は極めて高く30歳〜60歳を対象とした米国の疫学調査によると、睡眠1時間に10秒以上持続する無呼吸+低呼吸(apneahypoxemia index:AHI)が5以上の割合は男性で24%、女性で9%だった。
睡眠時無呼吸症候群の研究が始まってからわずか30年足らずである。しかし、徐々にその本体が見えてきた。10年ほど前まではSASは肥満でいびきのおおきな人に多いと思われていた。しかしいびきもかかず痩せた人にもSASがあるのがわかってきた。これは人類の顎の発達に問題があるのである。人類はかつての 狩猟時代には硬くて大きな顎をもっていた。人の口腔内容積は現在150ml程度 であるが、これよりはるかに大きな容積をほこっていた。やわらかいものばかり
をたべるに従って顎が細く後退してきた。そのため徐々に気管が狭くなり、結果的に死腔(気道で血液とガス交換しない領域)が増大してきた。CPAP(経鼻的持 続的陽圧換気療法)はこの狭くなった気道に持続的に陽圧をかけガス交換の効率を高める方法である。
 最近合併症として関連する疾患がかなりあることも分かってきた。報告にもよるが肥満の80%、高血圧の50〜90%、糖尿病の40%、心筋梗塞の30%、狭心症の40〜50%、脳梗塞の50%、うつ病の30%などなど、今後ますます増えつつある。なかには長い年月重大な精神疾患として見過ごされている場合もある。
 診断はPSG(終夜睡眠ポリソムノグラフィー:睡眠中の脳波、眼球運動、おとがい筋電図、鼻と口の気流、胸腹部の換気運動、心電図、パルスオキシメーターによるSpO2測定)を行う。現在では自宅でできる簡易型もある。
 SASの初期症状は不定的である。寝付きが悪い、睡眠が浅い、なんとなく体がだるい、朝おきにくい、仕事に集中できない、記憶力が落ちた、などであるが、まったく無症状のまま検診で重大な不整脈で発見されることもある。人類の宿命病でもあり今後この疾患から目が離せない

2010.4.20. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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