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肺年齢


 最近「何々年齢」という言葉がはやりである。血管年齢、骨年齢(骨密度)、皮膚年齢などなど。日本呼吸器学会もこれにならって2年ほど前から肺年齢という言葉を提唱している。これはWHOがタバコによるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が2020年に世界的な死亡原因の第3位になると予想しているからである。COPDの症状は労作性呼吸困難、簡単に言うと息切れである。肺機能検査では努力呼吸をするとF−Vcurveが下に弯曲する。専門的にはFEV1.0%(1秒率)が低下する。低下率が20%以内を軽症、20%から50%が中等症、それ以上が重症と定義されている。私は呼吸器専門医なので20年以上ほぼ毎日のようにこの検査を実施している。動脈硬化と同じで症状がないのがやっかいである。呼吸困難などの症状が出る頃にはすでに中等症以上のCOPDであることが多い。私の父親はたばこが大好きで小さい頃から身近にタバコがあった。子供の頃の父親への誕生日プレゼントは必ずタバコだった。私自身も15年間喫煙していた。半年ほど前から階段の上り下りに若干の動悸、息切れを感じていた。前々から気になっていた自分の肺機能を検査してみた。予想をはるかに超え私のFEV1.0%は25%以上も低下していた。中等症肺気腫で肺年齢は69歳だった。実年齢より15歳以上も年をとっていたのである。ミイラ取りがミイラになってしまった。

2009.7.3.氷川台内科クリニック 院長 櫻田 ニ友
東京保険医新聞 2009年8月5・15日合併号より

 

 

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