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糖尿病の運動療法


 昨年5月に「糖尿病治療ガイド」が日本糖尿病学会から出版されました。それからの抜粋です。まず運動の種類は有酸素運動とレジスタンス運動に分かれる。前者は酸素の供給に見合った強度の運動で、継続して行うことによりインシュリン感受性が増大する。歩行、ジョギング、水泳などの全身運動である。一方、レジスタンス運動とはダンベルなどのおもりや抵抗負荷に対して動作を行う運動で、強い負荷強度で行えば無酸素運動に分類され、筋肉量を増加し、筋力を増強する効果がある。水中歩行は有酸素運動とレジスタンス運動がミックスされた運動で、膝にかかる負担が少なく、肥満糖尿病患者に安全かつ有効である。糖尿病には一般的に中等度の強度の有酸素運動が有効である。中等度の運動は、最大酸素摂取量(VO2max)の50%前後のものを指し運動時の心拍数によってその程度を判定する。運動時の心拍数を、50歳未満では1分間100〜120拍、50歳以降は1分間100拍以内にとどめる。しかし不整脈などのために心拍数を指標にできないときは、患者自身の「楽である」または「ややきつい」といった体感を目安にする。「きつい」と感じるときは強すぎる運動である。歩行運動では1回15分〜30分、1日2回。1日の運動量として歩行は約1万歩、消費エネルギーとしては160〜240Kcal程度が適当である。日常生活の中に組み入れ、できれば毎日行うことが基本であるが、少なくとも1週間に3日以上の頻度で実施することが望ましい。運動療法上の注意点として以下があげられる。1.運動療法はスポーツではない。日常生活の中の身体活動やスポーツ、レクレーションが運動療法の一部となる。2.運動療法の実施は、食後1時間頃が望ましいとされているが、実生活の中で実施可能な時間ならいつでもよい。3.インスリン療法やインスリン分泌促進薬で治療中の場合には低血糖になりやすい時間帯があるので注意する。インスリンは原則として四肢を避け、腹壁に注射する。4.運動誘発性の低血糖は、とくにインスリン治療中の患者におこりやすく、運動中や直後だけでなく運動終了後十数時間後にも起こりうる。運動量の多いときは捕食をとる。運動前後のインスリンを減量するなどの注意が必要である。5.運動強度を増す場合は徐々に行う。6.準備運動、整理運動をする。7.運動に適した衣服、ウォーキングシューズを使う。8.寒冷および暑熱環境下の体温調節能低下に注意する。9.運動を行ったからといって食事療法を怠ってはならない。空腹感から食物の過剰摂取にならないように注意する。10.腰椎、下肢関節に整形外科的な疾患があるときは、筋力トレーニングなどにより筋力の増強を図るとともに、水中歩行、椅子に掛けてできる運動などを行う。11.運動は継続することが大切である。運動強度と持続時間は控えめにする。最後にもう1つ。運動で消費するエネルギーはそれほど多くありません。「運動で消費したエネルギー分だけ食事を増やせる」と考えるのは間違いです。運動の糖代謝に及ぼす効果はインスリン感受性の改善です。食事で過剰に摂取したエネルギーを、運動量を増やして消費するのは容易ではありません。食事療法をしっかり行い、病態やその日の体調に合わせて、適度な運動を続けることが大切です。くれぐれも思い違いのないように。


2015.1.8. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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