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ピーナッツアレルギー


 ピーナッツアレルギーは最近増加傾向にあり、FDEIA(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)の原因食品で現在第8位である(特殊型食物アレルギーの診療の手引き 2015より)。2015年2月23日、New England Journal of Medicineのオンライン版で面白い報告があった。英国のEveline Londonn Childrens Hospitalからの報告である。生後4〜11か月の児で、重度の湿疹か卵アレルギーの既往があることからピーナッツアレルギーが高リスクと考えられる640児をピーナッツ摂取群と除去群に割り付けし、5歳時点でのアレルギー発症率を比較検討した。ピーナッツ摂取群には週3回以上ピーナッツ蛋白質を含む食品を摂取させ、ピーナッツ除去群には5歳になるまでピーナッツを含む食品を摂取させなかった。その結果は以下の通りである。最初にプリックテスト(アレルゲンテスト)を行い、陰性だった集団530児の中で、5歳時点のピーナッツアレルギー発症率は、ピーナッツ除去群の13.7%に対しピーナッツ摂取群では1.9%だった。プリックテスト陽性だった集団98児でも結果は同じでピーナッツ除去群が35.3%に対し10.6%だった。ピーナッツ特異的IgG4抗体(遮断抗体)の上昇は主にピーナッツ摂取群で認められ、ピーナッツ特異的IgE抗体の上昇が認められた児はピーナッツ除去群で多かった。以上が主な要点であるが、ここからいろいろ推察されることがいくつかある。まず第1点、ピーナッツが感作される経路であるが、どうも経口感作ではないらしい。経口感作とすれば摂取すればするほどアレルギーはひどくなるはずである。摂取群でIgG4抗体が上昇するということはありえない。要は食べないことでピーナッツアレルギーはよくならないことがわかる。第2点、この研究では5歳時点で報告は終わりであるが、ピーナッツ摂取群のピーナッツ忍容性がどこまで持続するかである。ピーナッツアレルギーを発症してしまった子供が将来ピーナッツを好んで摂取することは考えられない。それだけ激しいアナフィラキシーをおこしてしまった子供がアメリカだけでも年数千人に及ぶ(NIH:National Intitute of Health 国立衛生研究所)。要はいつまでピーナッツを定期的に摂取すればピーナッツアレルギーになりにくいかである。第3点、この研究は乳幼児での研究であるが、成人の場合はどうか。当院で、ピーナッツアレルギーでアナフィラキシーショックをおこしたことがある小学生を成人するまで定期的にIgEを測定している。もちろんピーナッツ含有食品は家族一丸となって徹底的に除去している。ほとんどがピーナッツ特異的IgE抗体は減少している。中にはIgE抗体が消えた患者もいる。これを見て小児科医、アレルギー専門医はこれまでアレルギー性食品除去を続けてきたのであるが、実はピーナッツ特異的IgE抗体は消えてないのである。これはプリックテストで確認できる。今欧米のガイドラインから除去食に関する推奨は2008年に削除されている。乳幼児の食事からアレルギー性食品を除去すればそれだけアレルギー患者が増えるということからである。重症のアレルギーを持った乳幼児ですらこの結果である。健康な乳幼児ではなおさらのことであろうと考えられる。


2015.3.24. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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