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肺非結核性抗酸菌症


 今日は肺非結核性抗酸菌症(nontuberculous mycobacteria;NTM)についてお話したいと思います。長引く咳で真っ先に思い浮かぶのは肺炎や結核、喘息などの病気です。病院に行って抗菌薬、吸入薬なでをもらうが一向に良くならない場合があります。肺非結核性抗酸菌症は、結核菌、らい菌以外の抗酸菌によって起きる慢性の呼吸器疾患です。経過が10年から20年と長いため気が付かれない場合が多い疾患です。病原性の抗酸菌は数十種類あり、日本ではこのうちMycobacterium avium complexとM.intracellulareという肺MAC症が9割近くを占めます。患者数がここ数年で急増しています。人口10万人あたりの罹患率は約14.7人です。一昨年は罹患数が結核を上回ったと発表がありました(結核は10.2人:国立療養所非定型抗酸菌症共同研究斑疫学調査)。背景には高齢化に伴いかかりやすい人が増えたこと、過去に感染していて生活習慣病などの罹患とともに再燃したことなどが考えられます。死亡者数はここ20年で6倍以上に増え喘息や結核に迫る勢いです。胸部X線撮影やCTで肺尖部を中心に散在する結節影ができるのが特徴ですが、一見結核と区別がつきません。最近では中高年の女性を中心に、肺中葉舌区に気管支拡張像、胸膜直下の粒状影を認める例が増えています。確定診断は喀痰から抗酸菌が認められることです。2008年、日本呼吸器学会、日本結核病学会は肺NTM感染症の診断基準を発表しました。従来の診断基準では何らかの自・他覚症状を認める必要がありましたが、新たな診断基準では症状は問わなくなりました。進行すれば喀血、呼吸困難、体重減少などの症状が出ますが、結核のように発熱はあまり見られません。治療はクラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールなど結核に準ずる3種類以上の抗菌薬を使います。抗菌薬の効果がなければ、空洞や気管支拡張病変を取り除く手術をする場合もあります。症状があまりない、あるいは排菌が少なく日常生活に支障がなければ、経過観察する場合もあります。しかし、インフルエンザなどの感染症、糖尿病などの生活習慣病に罹患して急に病変が拡大することもあります。定期的に胸部X線撮影やCTなどの検査を受けることが大切です。また、結核とは違い人から人に感染することはありません。抗酸菌は水や土壌中など環境中どこにでもいます。土埃(ほこり)や水蒸気にふくまれる菌を吸いこんで発症すると考えられていますが、その詳しいメカニズムはわかっていません。おそらく宿主側の感受性によるものではないかと思われます。そのため感染源を特定するのはなかなか大変です。風呂の出水口や家庭菜園などは注意が必要です。


2017.2.1. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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