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アトピー性皮膚炎


 今日はアトピー性皮膚炎についてお話ししたいと思います。アトピー性皮膚炎は主に四肢の屈曲部(肘、膝、腋窩、首など)に好発する湿疹で、慢性化すると色素沈着、結節性痒疹などの症状が現れます。原因はよくわかっていませんが、表皮ブドウ球菌などの細菌感染がかかわっている可能性があります。増悪すれば、蜂窩織炎や敗血症などの合併症を併発することもあります。したがって、しっかり保湿してコントロールしておくことが重要です。
日本皮膚科学会はこの皮膚炎のコントロールのために「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」(2016)を出しています。1)抗炎症薬の外用を中心とした薬物療法、2)皮膚の生理学的異常に対するスキンケア、3)悪化因子の検索と対策、です。
特に、スキンケアが大切で、日本皮膚科学会では、10年程前からリアクティブ療法(病状が再燃したら、治療を再開する)よりも、プロアクティブ療法(定期的な治療で再燃しないようにする)を推奨しています。保湿はもちろんですが、ステロイドの外用を特に重症な部位に、週に2〜3回予防的に使って再燃を防ぎます。
皮膚のバリア機能異常の原因も徐々にわかってきました。アトピー性皮膚炎患者では、ケラチンのフィラメントを凝集させる蛋白質、フィラグリンの発現量が低下していることがわかってきました。遺伝子変異も25%で見つかっています。フィラグリン量の低下により皮膚のバリア機能が障害され、水分が喪失し、ダニやハウスダストなどの抗原が侵入しやすくなります。掻破を繰り返すと表皮が欠損するため、抗原がより内部に侵入し、炎症が悪化します。
フィラグリンの発現にはさまざまな物質がかかわっていますが、病変部のサイトカイン産生抑制がフィラグリンの発現低下を抑制する最大の治療と考えられています。アトピー性皮膚炎ではTh2細胞優位であるため、このTh2を除くことが最大の治療になります。そこで、Th2が産生するIL−4を抑制する抗IL−4抗体薬が開発されました。アトピー性皮膚炎を容量依存的に改善し、かゆみを抑制することがわかりました。皮膚の質感も変わってきたと第III相試験で報告されています。
最後にもっとも重要な保湿についてお話します。出生時から保湿薬を使用した児のほうがアトピー性皮膚炎の発症率が低いという報告が相次いでいます(J Allergy Clinical Immunology 2014:134:824-830 etc)。今まで、何度もお話していますが、アレルギーマーチの始まりは、乳幼児期の乳児湿疹にあります。ハウスダスト、ダニに経皮感作されて初めて、アレルギーは発症します。アトピー性皮膚炎だけでなく、アレルギー性鼻炎、喘息の発症のもとも実はこの時期にさかのぼります。これを防ぐには、乳幼児期から皮膚を健康に保っておく必要があります。このために皮膚の保湿はとても重要なのです。


2017.5.30. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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