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生活習慣病 その2


 日野原重明先生が亡くなった。105歳の大往生である。しかし、先生はこれでよかったと満足はしていなかったと推測する。その証拠に10年先までの予定が手帳に記録されていた。今年、年始のテレビの特番でもそのお話があった。学会のご講演でも何度か聞いた。しかし、医師であるので、自分の残りの寿命は重々承知していたと思われる。
 先生の人生の道のりは平坦とは言い難い。学生時代に大病もし、ハイジャックやサリン事件にも遭遇した。「新老人の会」を結成し、その意義を自分の人生で実践して見せた。生来の明るさか、大変な人生を生きた感じが話しぶりからはみじんも見えない。ほんとうにあっぱれな人生だった。
 医学界において先生の最大の功績は何といっても、予防医学への貢献である。国は1955年ごろから、脳血管障害、心臓病、悪性腫瘍、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの「成人病」の治療に力を入れてきた。日野原先生はこれらの原因が、食生活、運動不足、飲酒、喫煙などの生活習慣にあると唱え、厚労省はついに1997年からこれらの「成人病」を「生活習慣病」と呼称をあらため、これが広く国民に認識されるに至った。これ以降、脳血管障害などで亡くなる人が減少に転じた。結果的にはこれが功を奏し、今日の日本の元気な高齢化社会を迎えることになった。
 「生活習慣病」とはよく言ったもので、その名の通りなかなか変えることは難しい。炭水化物や糖質を取りすぎると肥満、糖尿病になりやすいのはわかっていても、なかなかやめられない。炭水化物はエネルギー効率が高い。いわば、車にとってのハイオクのガソリンと一諸で燃費効率は60〜70%にもなる。もう少し燃費効率の悪い脂質や蛋白質(いわば軽油やガソリン)を取るほうが、肥満防止にはよい。
 仕事から帰って、腹いっぱい食べないと、夜ぐっすり眠れないと言う人がいる。本当はそんなことはない。そういう気分になることそのものが「生活習慣病」であり、それだけ仕事にストレスがかかっているということになる。内臓脂肪、皮下脂肪は、だいたい夜間に作られる。食べたら、そのエネルギーを使う必要があるが、溜めこんだ後、脂肪に変わり、結果的に糖尿病や高血圧、脂質異常症、脳血管障害、心臓病などを引き起こす。
 以前大企業で、昼食のライスを100円で購入し、80円分を食べ、残り20円分を中東の難民や、アフリカに寄付するという試みが流行った。企業にとっては一石三鳥の効果があると期待されたが、お腹がすいて間食をすれば、逆効果になる。
 もう一つは、「食」へのこだわりである。これが一番厄介である。物のない時代は我慢するしかなかったが、今はいつでもどこでも、おいしいものが手に入る。ついつい、手が出てしまう。このこだわりをなくす方法はなかなか見当たらない。とくに、時間に余裕のある人にとっては難しい。私は時間に余裕がないので、一日3食以外、食べ物を口にすることはあまりない。食べる暇がないほど忙しいと食へのこだわりも自然となくなってくる。


2017.7.19. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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