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新型コロナウイルス その18 スウェーデン


 スウェーデンは、世界が新型コロナウイルス禍の中、今一番注目されている国と言っていいと思います。人口は1000万人程度で日本の約12分の1です。面積は日本にもう一つ北海道を加えた広さです。スカンジナビア半島の中央に位置し、北東にフィンランド、西にノルウェー、南にテガット海峡を挟んでデンマークと隣接しています。東から南にバルト海があります。日本になじみのものとしてはH&M、V&S,イケア、アストラゼネカ社などがあります。世界がロックダウンをおこなって、新型コロナウイルスを封じ込めようとする中、すべては自己責任として独自の政策をしています。2月後半、イタリアが感染爆発している中、数千人が「スポーツ休暇」で、アルプス山脈でスキーを楽しんでいます。国外から帰った人に隔離政策なども行っていません。現在出されている政府の自粛要請は、集会が50人まで、シニアホームへの面会禁止のみです。高校からはオンライン授業ですが、中学校までは通常通りの授業、飲食店の営業規制なし、入国規制なし、移動規制なし、外出規制なし、公園閉鎖なし、美容室、ジム、映画館も通常営業、マスク着用なし、要は、対策は自己責任においてしてくださいということです。結果は惨憺たるもので、昨日発表された新型コロナウイルス感染者数は5万人を超え、死者は4874人に達しています。日本に置き換えてみると、感染者数が70万人、死者が7万人弱ということになります。ありえない数字ですが、不思議なことに、これを国民が納得しているということです。他のヨーロッパ諸国と違い、国民の半数以上が独居で、日本やイタリアのように、3世代がいつもお互いを気にかけている国民性はありません。南欧では実家に残らないと親不孝と思われがちですが、北欧、特にスウェーデンでは親離れしないと、何か問題を抱えていると思われてしまいます。スウェーデンで親元を離れる平均年齢は平均17.8歳です。リタイヤした人は、シニアホームに入るか独居し、介護ヘルパーがお世話をしています。この担い手のほとんどすべてが国民の20%を占める移民たちです。しかし、この関係性を保ちながら、今流行の世界幸福度ランキングは7位です。国民皆保険制度で、外来診療は日本円で年間最高額1万3000円まで、入院は日額1100円の自己負担です。一時集団免疫を目指したと、海外で報道されましたが、抗体を持っている人は7.3%で60%に遠くおよびません。これでも医療崩壊しているわけではありません。新型コロナウイルス対策用ベッドは1000床確保されていますが、稼働しているのは約500床です。このパンデミックが始まって以来、政府は国民の線引きを行いました。80歳以上はICU(集中治療室)に入院させません。80歳未満、60歳以上で持病がある人が病気になっても、80歳以上と考え入院できません。わかりやすく言うと、70歳で高血圧があり脳卒中を起こした人は、新型コロナウイルスの感染の有無にかかわらず入院はできないということです。まるで「楢山節考」ですが、政府の見解はそうではありません。できるだけ、医療崩壊を起こさないで、流行を最小限に食い止め、これを国民全員で負担するということです。例えは悪いですが、アメリカのトランプ大統領などの、地位と権力、財力のある人が心筋梗塞を起こしても、この新型コロナウイルス禍の中では入院はできません。医療は自国民、移民、貧富の差に関係なく等しく提供されるといった観念から行われています。そういった意味では、今回のアメリカ大統領予備選挙に登場したバーニー・サンダース氏の民主社会主義の考え方に近いといえます。


2020.6.16. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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