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「新老人」


 

 3人の子供が父離れして数年前から一人で出かけることが多くなった。そこに今までとはまったく違う光景があることに気が付いた。ゴルフ場を4バックで回るとだいたい私が一番年下。活躍しているのは、日野原先生の言う「新老人」のシニア会員(75歳以上)である。夏の猛暑の中、日が暮れるまでラウンドしているのは若者ではない。ほとんどがシニア会員である。スキー場で急峻なコブ斜面を滑るのは、昔は若者と決まっていた。しかし、最近なんと「新老人」のシニア会員が列をなして滑っているのである。それもよく聞くとスキー場で合宿しているという。妙齢のマダム達もいる。若者のスキー離れが進む中、「新老人」のなんと元気なこと。海が荒れると若者は怖がって出て行かないが、「新老人」は元気である。危険を顧みずヨットレースに参加する。ヨットで世界一周してきたという「新老人」があちらにもこちらにもいる。白髪のサーファーを見かけるのも珍しいことではない。WHO(世界保健機構)は65歳以上を高齢者と定めており、日本ではさらに75歳以上を後期高齢者と言う。まったく時代にそぐわない感じがする。2020年にはいよいよ団塊の世代が「新老人」のシニア会員時代に突入する。私はさしずめ「新老人」のジュニア会員(65歳以上)にもなれないサポート会員といったところである。ますます元気になる「新老人」を見習いこれからも頑張っていこうと思っている昨今である。


2015.7.1 練馬区 櫻田 二友
東京保険医新聞 2015年8月 消夏特集号から

 

 

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