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御守り


 子供の頃、親に物をねだるほど裕福ではなかった。高価なものと言えば、小学5年生で初めて自転車を買ってもらったことくらいである。他の子は自転車など当前のように乗りこなしていたが、私は乗れないのがはずかしく、隠れて一人で練習したのを覚えている。乗れるのが楽しくなると遠出をしたくなった。そのころ福岡市の東端、多々良川沿いに住んでいた。大宰府天満宮までは篠栗峠、大野城址、岩谷城址等の険しい山道を超えて、自転車で3時間程かかる。私は毎月、第1日曜日に家から太宰府天満宮まで往復することに決めた。自転車は西鉄五条駅にとめて、大宰府線で一駅電車に乗る。この大宰府詣では中学3年生まで続いた。ある時、五条駅で電車を待っていると、後ろから袈裟を着て蓑笠をかぶった巡礼姿のお坊さんに肩をたたかれた。振り返ると、何か小さな御札のようなものを私に差出し、「これを肌身離さず持っておきなさい、必ず助けてくれます。」と言って私に手渡した。よくわからないまま、「はい」と受け取って電車に乗った。振り向くとそのお坊さんの姿がない。3cm四方の木札のようなものが入っていて、白い紙札に御守りと書いてあるが中を見たことはない。不思議な体験だったが、それ以来その御守りを大切にいつも身に着けている。それから50年余、病気や事故だけでなく、万事休すとなる数えきれないほどの危機を乗り越えてきたが、もしかしたら、この御守りのおかげかもしれない。


2020.6.12.練馬区 櫻田 二友
東京保険医新聞 2020年 消夏特集号から

 

 

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