高原ゴルフ

　夏、練馬区は都内でも特に暑く４０度近くにもなる。ゴルフはたいてい埼玉近辺でするが、ゴルフ場はもっと暑い。長野の菅平にでも行けば涼しくていいかもしれないが、なにせ遠い。近場でどこかないかな、と探していたら、関越道沿いにあった。一番高いところで標高１４００ｍあり、真夏でも３０度にとどかない。調子に乗って隔週のように行っていたが、山の頂上でアップダウンが厳しい。おまけに自走式カートで、一歩間違えると谷底に落ちてしまう。夏の連休、大勢のゴルファーで込み合っていた。なかなか前に進まず、上り１７番ホール、短い打ち下ろし、池越えのＰａｒ３の前で３組ほどが待っていた。私は疲れて、運転席で一人仰向けになって夢見心地。もうそろそろかな、と起き上がった瞬間、カートが動き出し、下り坂を猛スピードで駆け下りていった。ブレーキをかける間もなく、カートごと池に飛び込んでしまった。かろうじて、直前ではい出したが、右股関節脱臼、右膝内側側副靱帯損傷、手首の捻挫、左膝挫傷。ズボンも膝から下はズタズタで血だらけ。ゴルフ場の話では、事故は完全セルフなので自己責任、カートは車と同じ扱いで修理が必要。保険はないので、自腹で支払うことになった。カートの整備会社から連絡があり、先生あそこで怪我をしたゴルファーが何人もいます。もう行かないほうがいいですよ、と言われた。ゴルフも命がけ。

２０２２．１１．１１　氷川台内科クリニック　院長　櫻田　二友
東京保険医新聞　令和５年　「新年号」から