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脱炭素狂騒曲 その3 ゆでがえる


 7月28日の「FINANCIAL TIMES」に次のような記事がありました。『筆者は3年半前の大晦日を決して忘れることができない。その理由はパーティーが華やかで素晴らしかったからとか、花火がまばゆいばかりだったからとかというのではない。オーストラリア南東部の海沿いの小さな町で、瞬く間に広がった山火事によって町をでる唯一の道路が通行不能になり、身動きが取れなくなったからだ。すべての昼食は灰に覆われ、まだ午後3時だというのに空は真っ黒だった。しかし、ちょっとした運とニューサウスウェールズ州の勇敢な消防隊のおかげで、翌日には怪我もせずに現地から脱出することができた。この話を持ち出したのには2つの理由がある。第一は、オーストラリアで2019〜20年に過去に例のないほど森林火災が発生したのは、地球温暖化による気温上昇と乾燥という長期にわたるトレンドが一因としてある。第二は、人間にとって理想的な居住環境とは山火事が起きるような状況とは縁遠いはず、という点だ。それは、40度あるいはそれに近い気温が長期にわたって続くような環境でもないはずだ。しかし、近年、アジア、南欧、米国南部の人口の多い地域では、こうした酷暑が日常化している。・・・こうした理解に苦しむ現象が起きている理由の一つは、気候変動に関する議論の殆どが、今後状況がさらに悪化するリスクばかり強調しているからではないかと筆者は危惧している。・・・米国アリゾナ州で、「自然界の熱に過度にさらされた」ことが原因で死亡した人は1970〜90年は年平均16人だったが、90〜2015年は同38人に増え、20年には210人、22年には257人と急増している。我々は、人々が実際に見たり感じたりすることよりも、抽象的な統計を相変わらず重視しがちだ。この傾向こそが、気候に対する不安が高まる中、人類がゆっくり沸騰していく鍋の中のゆでがえるのような存在であり続けるリスクをますます高めている。産業革命以降の地球の気温上昇幅を2度以内に抑えることに焦点を当てるのは理解できる。だが「2度以内」というのは、1、数値としてわずかにしか感じられない、2、「将来」の目標でしかない、3、私たちの日常生活とあまりに直結していない、4、平均気温であるため、実際に各地の気温がどうなっているかの説明に全くなっていないーといった問題がある。米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局の最新データによると、23年半ば時点で、世界の地表温度は産業革命以降の上昇幅を2度以内に抑えるという目標に対し、すでに1.25度上昇している。これらの数字は現実世界とは無関係に我々の頭の中を飛び交っているが、重要なのは平均気温が上昇すれば極端な値もさらに押し上げられることだ。現在、アリゾナ州の州都フェニックスが猛暑に見舞われる日数は1950年代の4倍に増えており、パリは8倍、ロンドンは10倍だ。こうした過酷な日々はすでに重大な被害をもたらしており、数多くの人の直接的な死因となっているほか、多くの人々が日々の生活よりもそれに対処することを強いられている。地球温暖化は人類を脅かしている。各国政府にとってもその国民にとっても、明日の状況がさらに悪化するのを防ぐ最善の方法は、今日すでに起きている深刻な事態を直視、認識し、それに対処することである。』 地球上には最高気温が60℃を超す場所も、最低気温が氷点下90℃に迫る場所もあります。「地球温暖化」は国連と環境団体が、1988年に思い付いた起死回生の一手で、大量にCO2を出す先進国(加害者)から富を奪って途上国(被害者)に渡す仕事を作る手段でした。しかし、巨大な「利権」と化し、ついには新聞の一面を飾るほどにまで成長してしまいました。


2023.7.29. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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