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脱炭素狂騒曲 その5 CO2


 日本には454の火力発電所があります。煙突から黙々と上がる煙はCO2、NOx、SOx、粉塵で、白く見えるのは水蒸気です。現在の火力発電所はほとんどすべて、脱硫・脱硝装置が設置されていて、NOx、SOxはほぼ90%除外できます。したがって、CO2が一番厄介なわけですが、なんといってもメリットはその燃費です。燃料には石炭、石油、天然ガス(LNG)などを使いますが、10円/1kWhです。太陽光パネルはシリコンで作られますが、原料は炭素です。これを作るのに40円/1kWhかかります。このシリコンの燃料は化石燃料です。太陽光パネルが太陽光パネルを作ることはできません。風力発電機が風力発電機を作ることはできません。太陽光発電も風力発電も電気自動車も、もとをただせば化石燃料に行きつきます。20年たって、太陽光パネルや風力発電機の耐用年数が来たとします。これを解体するのに、太陽光パネルや風力発電は使えません。やはり40円/1kWhの化石燃料が必要になります。当たり前のことですが、「再生可能エネルギー」というものは、もともと存在しないのです。日本のエネルギー事情は、2021年時点で、火力発電が71.7%、原子力発電が5.9%、水力発電が7.8%、太陽光発電が9.3%、風力発電が0.3%、バイオマスが4.1%、地熱が0.3%となっています。では、71.7%の火力発電を100%にしてみてはどうでしょうか。全国に648の火力発電所を作るのです。それも、すべて北海道から九州沖縄まで、太平洋沿岸に作ります。大気組成はN2(窒素)が78.1%、O2(酸素)が21.0%、CO2(二酸化炭素)が0.03%です。それぞれの原子量はN2;28、O2;32、CO2;44です。したがって、煙突から出るCO2が一番重く、地表近くを漂います。雨が降ると一番先に地面に落ちてきます。最近CCS(Carbon dioxide Capture and Strage)という「二酸化炭素の回収・貯留」の技術開発が進んでいます。CO2だけを分離して、安定した地下深くに貯留、圧入(封じ込め)するという何とも奇妙な考え方です。これは完全に「ウソ」で、CO2は植物の光合成に使われる以外は、太古の昔から地中や海中に自然と吸収されています。そこに人間が介入する必要は全くありません。地球の自転は北極と南極を結ぶ地軸を軸に西から東に1日1回転しています。したがって、日本の上空の偏西風は、時に台風などで蛇行することもありますが、常に西から東に流れています。648の火力発電所から出たCO2は、ほとんど地表近くを漂って太平洋に流れていきます。国土交通省の気象庁のホームページに世界の「海洋による二酸化炭素の吸収・放出の分布」図があります。それによると、CO2の吸収率の一番高い地域は、日本の東岸、北西太平洋地域です。日本でいくら火力発電所を作り、CO2を放出しても、ここに流れてきたCO2はすべて海に吸収され、それを植物プランクトンが消費します。これは動物プランクトンの餌になり、動物プランクトンは小魚の餌になります。この30年漁獲量が減少したのは、CO2を削減したからです。脱炭素政策をやめれば、漁獲量はもとに戻ります。2021年、世界で土壌から排出されたCO2は3600億トン、人間が排出したCO2は335億トン、日本の排出量は10億4,400万トンです。現在地球全体の大気のCO2は3兆トンです。したがって、日本の排出するCO2は、年間335÷3600×10.44÷3兆トン×100=0.0000000032%になり、そのうち人間活動が排出する量はさらにその10分の1です。日本で気候変動・脱炭素政策をする意味は全くありません。


2023.8.9. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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