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脱炭素政策 その16 化石燃料補助金


 先日、国際通貨基金(IMF)は世界各国の化石燃料補助金が、減税などの間接のコストも含めて、2022年に約7兆ドル(1000兆円)に達し、過去最高となったことを報告しました。化石燃料補助金とは、化石燃料を消費すると、局地的な大気汚染や、地球温暖化による損害など、多大な環境コストが生じる。その対策のための出資で、税控除、価格統制、融資補助、調査や開発への出資、化石燃料生産者が環境規則に従うための費用を支払わずに済むような措置などが含まれています。IMFはもともと2015年の「パリ協定」に基づき、2050年までに産業革命以来の地球表面の気温上昇を1.5℃以内に抑えるという構想から生まれたものです。天然ガス・石油が約50年、石炭・ウランが約150年で枯渇するという間違った想定がされていました。いずれこの補助を撤廃し、健康被害をなくして、世界で年160万人の死亡を防ぐことが目的でした。ところが、発足以来補助金の額はうなぎのぼりに増え、世界の国内総生産(GDP)の7.1%にのぼる規模となってしまいました。地域別では東アジアが45.1%を占め、石炭火力を抑制しない中国の割合が大きかった。ロシアのウクライナ侵攻を受けて天然ガスの市場価格が急騰し、消費者の負担軽減策を導入した欧州は2番目の18.5%でした。特にドイツとフランスの補助額が突出して多く、域内で支出された化石燃料補助金のほぼ半分を占めています。ドイツのGDPは先進国の中で、今年初めてマイナス0.6%成長となり、深刻です。ドイツの消費電力に占める再生可能エネルギーの割合は、2023年上半期で52.3%と増加し、2035年以降100%実現を目指しています。電力料金は、アメリカを1.0とすれば、日本は1.6で、ドイツは6.4です。ドイツの電力料金は日本のほぼ4倍です。2035年には8倍になる計算で、このままいけばドイツの経済は破綻します。日本がそのすぐ後ろを追っています。太陽光パネルを少し考えてみたいと思います。5kW型の3.3m2(1坪)の太陽光パネルの5kWは、快晴で太陽が真上にある瞬間の出力です。北緯36度の東京にその状態はありません。その時の1m2に降る太陽エネルギーは、ほぼ1kWです。するとそのパネルの熱変換効率は5kWを33kWで割った答えの0.15(15%)です。太陽光の強さは、夜はゼロになり、天候・季節で変動します。通年でならすと、地面の1m2に降るエネルギーは、最高値1kWの約1/7(140W)に落ちてしまいます。それも太陽光パネルを太陽に向けて移動できれば、の話です。たいていは水平に設置するため、熱変換効率はもっと下がります。設置費用、定期点検、補修費、使い終わった後の撤去費用に化石燃料を使い、大量のCO2を放出します。化石燃料の熱変換効率は100%です。天然ガス・石炭・石油はもともと生物の死骸(炭素;C)が堆積してできたものです。今後数千年枯渇することはありません。COP21の「パリ協定」そのものが間違っています。化石燃料補助金の最大の問題は、この資金を環境保護団体、政治家、大企業が独占し、国民に行き渡らないようにしていることです。もし行き渡っていれば、私の計算では、各家庭の電気代はほぼゼロになるはずです。

 


2023.9.21. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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