脱炭素狂騒曲 その21 自分の首を自分で絞める
10月9日、小池都知事は、都内の国際シンポジウム「朝日地球会議2023」で、「グリーンビズ」と銘打って環境保全施策を今後推進すると講演しました。なんとなく以前の「クールビズ」と似ていますね。どうも、横文字が好きらしく、「ツリーバンク」「グリーンインフラ」「レインガーデン」などの訳の分からない言葉が次から次へと出てきます。100年先を見据え、「緑といきるまちづくり」をめざすと締めくくりました。もともと「グリーンビズ」という発想は北海道が、平成3年11月4日に定例会でグリーンビズ認定制度を発足したのが始まりです。業種は第1次産業から第3次産業までおよそ100種に及びます。ざっと並べると、1、エネルギー使用量の削減 2、エネルギー機器等の導入 3、新エネルギーの利用 4、自動車利用の抑制 5、エコドライブの推進 6、廃棄物の排出抑制 7、廃棄物の分別・リサイクルの実施 8、グリーン購入の実施 9、カーボン・オフセットの推進 10、水利用料の削減 11、用紙使用量の削減 12、汚染対策の実施、13、環境配慮型製品・サービスの販売・提供 14、環境負荷低減に資する研究開発 15、社会貢献活動の実施・支援 16、地域社会の環境活動への参加 17、生物多様性の保全に向けた取り組み・支援 18、環境に関する情報提供などとなっています。ランク1〜3まであって、7項目までがランク1、8項目以上がランク2、すべてクリアできればランク3となり、それがオンラインで認定されます。認定されたところで、ご褒美が出るわけではありません。よく頑張ったと「Excellent」というステッカーを会社の玄関や「ホームページ」に貼ることができるだけです。例えば1、エネルギー使用量の削減では、不要な照明の消灯、エレベーターの使用自粛、使用しない危機の電源オフ、空調の温度管理の徹底・使用時間の短縮、ノー残業デーの推進、クールビズ・ウォームビズの実施、その他エネルギー使用量の削減の取り組みです。エネルギー使用量を削減して経済成長はできません。これでは会社は潰れてしまいます。もしランク3の会社があったら、とんでもない悪巧みをしているに違いありません。もともと「脱炭素」政策は、すればするほど二酸化炭素CO2は増加します。内燃機関のガソリン車はガソリンを焚いて走ればいいだけですが、電気自動車も水素自動車もすべて外で電気を作って電気を蓄え、それを載せて走らせます。水素自動車は水を電気分解して水素H2を作るのではありません。天然資源からメタンCH4などを取りだして、炭素Cを取り除き、気体H2を冷却し固形化します。これを水素電池として車に搭載して始めて1台の水素自動車ができます。メタンの掘削作業、水素を取り出す設備、冷却して個体燃料にする作業、オーストラリアからの運搬などにすべて化石燃料を使います。この過程で二酸化炭素CO2が大量に放出されます。したがって、水素自動車1台を走らせるのに、ガソリン車で出る何倍ものCO2を排出することになります。CO2がここ30年で徐々に増加傾向にあるのは、実はこのからくりが一般の人にわからないように行われているからです。科学者、大企業、政治家、環境保護団体は、自分たちの利権のために、データをごまかし、難しい化学式を並べ、さも地球が危ないような印象を与え、報道しています。「グリーンビズ」は「自分の首を自分で絞める」のと同じです。
2023.10.12. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
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