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脱炭素狂騒曲 その22 我が道を行く その1


 今年7月、新聞に「地球12万年ぶり暑さ」「120年間分析45年ぶり暑さ」などの見出しが載りました。データはすべて捏造ですが、読んでいる人はそうは思いません。夏が熱いのだから、来年の冬は暖冬だろうと思う人がいるかもしれませんが、これはあり得ません。地球は太陽の周囲を1年に1回楕円状に公転する惑星で、太陽に近づけば暑い夏ですが、反対に冬は太陽から遠く離れるので寒い冬になります。したがって、「暑い夏は寒い冬」「涼しい夏は暖かい冬」の組み合わせしかないのです。テレビでは1年を通して地球温暖化が加速していると報じていますが、そんなことはありません。12万年ぶりの暑い夏があれば、今度は12万年ぶりの冬がやってくるはずです。それほど宇宙はダイナミックなのです。「EV推進の罠 脱酸素政策の嘘」(加藤康子・池田直渡・岡崎五郎著)を読みました。真剣に脱炭素政策を掲げてEV推進をしている国は日本だけで、ヨーロッパの掲げる2050年までに二酸化炭素CO2排出量をゼロにするは、努力目標にすぎず、できるとは一言も言っていないと書いてありました。もともと日本の自動車産業は優れていて、たとえば、ディーゼルエンジンの二酸化炭素CO2排出はガソリン車の4分の3です。ハイブリッド車は断トツでヨーロッパ勢は日本に歯が立たず、仕方なしにEVにシフトしました。これで何とか日本の自動車を締め出そうとしたのです。日本はもともと製造業に力がありましたが、半導体も電器産業も中国、韓国、台湾に奪われてしまいました。自動車産業は170年の歴史がありますが、現在世界の自動車生産の20%が日本車です。中でもトヨタ自動車が953万台(2022年)とトップです。これからEVにシフトすれば、自動車製造関連に携わる550万人の雇用と、その下請け企業と家族2000万人の生活が脅かされます。日本経済は電子・電気産業がなくなってしまった現在、自動車産業で持っているようなもので、これが失われれば、発展途上国並みになってしまいます。化石資源は生物の死骸でできていますので、地球がなくならない限り、枯渇することはありませんが、リチウムは今後数十年で枯渇します。世界のリチウム生産の65%を中国が握っているため、EV市場は事実上中国がにぎっています。EVのバッテッリーはリチウムですが、肝心なのは電極です。陰極に使うグラファイトは(黒鉛)は7割が中国、正極用のニッケルは世界の半分がインドネシアで生産、コバルトはコンゴが7割を占めてトップですが、今後30年で枯渇します。したがって、2050年にはEVは生産できなくなります。EVの蓄電量は家一軒の1週間分の電力に相当します。月平均500km走れば、一か月の家庭の電気代と同じになります。自工連の豊田章男会長は、EV推進のためには原発10基、さらに37兆円の補助金が必要と言っています。政治家は国のために働くものです。他国の政策におどらされる必要はありません。石油・石炭・天然ガスを使い、自動車で二酸化炭素CO2を出しても日本の自動車の出す排ガスは世界基準を大きく下回っています。これだけの技術がありながら、わずか世界の3%しか出さない二酸化炭素CO2の削減に精を出す政治家の思惑がわかりません。もっと国民の生活に目をむけるべきで、脱酸素政策をやめれば、日本は世界のGDPのトップに躍り出て国民所得は今の2倍になるでしょう。「我が道を行く」です。

 


2023.10.19. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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