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脱炭素狂騒曲 その24 我が道を行く その3


 日本はいまだ世界第3位のGDPを維持しています。しかし、経済学者は明るい見通しをしていません。経済学者が、気候変動と脱炭素のからくりに気づいてないからです。もし、気づいたら仕事がなくなってしまいます。気象学者や地震学者も同じです。気象予報も地震予報もつい50年ほど前まではなかったわけで、テレビ・ラジオが出現するまでは、人は前日夕方の空模様、風向き、風速、木々の様子、潮の満ち引きなどで判断していました。現在東京直下型地震、南海トラフ地震が心配されていますが、この心配も無用だと思います。私は関西に16年程住んでいましたが、阪神淡路大震災が来るとは思いもしませんでした。1000年さかのぼっても地震らしい地震はなかった地域です。今、日本で一番安全な地域は東日本大震災が起こった地域だと思います。統計を取れば、何かしらの規則的なデータに出会うかもしれませんが、それはたまたまで、気象予報も地震予報も経済予報もすべてあてにはできません。要は学問として成り立ってないということです。2020年は新型コロナの影響を受けましたが、それでも日本の国内総生産は、全体で537兆円となり、その20%を製造業が占めます。製造業は国力そのものであり、国家安全保障の源です。屋台骨を支える製造業が弱くなれば国力は落ちてきます。中でも自動車産業は部品・素材・販売・整備・物流・交通・金融とさまざまな面で日本経済を支えています。自動車と輸送機器の出荷額は70兆円をこえています。自動車関連からの税収は約15兆円で、税収全体の15%を占めています。事実上、自動車経済が日本を支えていると言っても過言ではありません。トヨタ自動車は年間約1000万台の自動車を生産していますが、国内工場での生産は年間300万台で、それでも160万台は輸出に回しています。本日の日経新聞で三菱自動車が中国市場から撤退する方針を固めた、と報じています。三菱自動車は1990年代から中国での乗用車生産・販売を強化するため、現地企業と合弁企業を設立。2012年には別の自動車大手・広州汽車集団と三菱商事の3社で生産や販売を手がける合弁企業を作り、湖南省の完成車工場で、スポーツ用多目的車(SUV)などを作ってきました。ピークの18年度には中国市場で14.1万台を販売しました。ただ、EVシフトが進んだことや、競合他社のよりも商品ラインアップが少ないことなどから販売が苦戦。広州の技術でEVを投入したりしましたが盛り返せず、昨年度の販売は3.2万台まで減少。今年3月には工場の操業停止に追い込まれてしまいました。今後、この合弁事業を解消し、湖南省にある工場は広州が活用するとみられます。中国ではEVなどの新エネルギー車の販売が急増しています。中国自動車工業会によると、中国での昨年のEV販売は前年より8割増えて、新車販売の2割を占めるまでになりました。今年1〜9月のEV販売台数は447万台と、前年同期から24.9%増加。外部から充電できるプラグインハイブリッド車も181万台と83.0%伸び、電気を動力源とする新エネルギー車の販売の勢いが止まりません。マツダは昨年度の販売はピーク時の3割、8.4万台にまで落ち込みました。提携先の中国メーカーへの生産委託を今年7月に終了しました。ホンダも日産も前年度同期から比べ3割減少しています。中国自動車業界はまさに水を得た魚で、勢いが止まりません。合弁会社を作り、日本の技術を盗み、用が済んだらポイです。まさに中国の思うツボです。中国は追い打ちをかけるように、12月1日からEVの負極に使われる世界シェアの8割を占めるグラファイト(黒鉛)の輸出を許可制にすると発表しました。グラファイトがないとEVバッテリーの生産はできません。日本は世界一のガソリン車を作って「化石賞」をもらうのが得策です。「我が道を行く」ことが肝心です。

 


2023.10.20. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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