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脱炭素狂騒曲 その29 サンマ


 ヤフーニュースで明るい話題を発見しました。全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は、10月31日現在のサンマの水揚げ状況を公表しました。全国の水揚げ量は1,5471トンで、去年の1.4倍になったと報じました。一方、朝日新聞の本日の夕刊では一面に「サンマ小ぶり、温暖化の影」、「海水温が上昇し、エサのプランクトンが減少、太らず」と見出しにありました。水揚げよりも、温暖化の影響のほうが話題にしやすいのでしょう。どんな小さな現象でも、どうしても環境問題と結びつけたいらしく、東京大学海洋研究所はIPCC(気候変動にに関する政府間パネル)の気候変動シナリオをもとに、サンマへの影響を予測する研究をしています。コンピューターシミュレーションによると、このまま温暖化が進んだ場合、今世紀末にはサンマの体長が平均2.7cm小さくなり、体重も40g減ると発表しています。それがどうした、という感じですが。そもそも元になるIPCCのデータが間違っています。地上気温グラフを作るにあたって、大きな組織としてアメリカの海洋大気庁(NOAA)に属する国立環境情報センター(NCEI)、航空宇宙局(NASA)に属するゴダード宇宙科学研究所(GISS)、英国気象庁がイーストアイランドアングリア大学に設けた気候研究ユニット(CRU)の3つがあります。この3組織がデータの収集、整理、グラフの作成を行います。しかし、問題はデータの補正にあります。補正といえば聞こえはいいですが、悪く言えば捏造です。気候温暖化に都合のいいように捏造されています。NOAAの関係者は2000年に入って、アラスカ州とハワイ州も含むアメリカ全土から、都市化で温暖化した地点を除いた観測点だけを精選し、2005年1月から測定データを公表してきました。それを合衆国気候基準ネットワーク(USCRN)と呼びます。USCRNは、アラスカ州の22地点とハワイ州の2地点、カナダの1地点を選び測定しています。それによると、過去30年間の温度上昇はせいぜい0.2〜0.3℃です。これは地上の気温ですが、衛星を使った大気温の測定も1977年から行われています。衛星は1日に地球を何周もしながら、おおよそ北緯80度〜南緯80度の大気をなめるように観測します。それによると、40年間でおよそ0.4℃の上昇になっています。どの地点の気温も上がり下がりを繰り返しているのですが、2010年を境に気温の下がった地点がなくなってしまったのです。一番名高いのがアメリカの地続き48州にある観測点(約1220か所)をまとめたグラフです。NCDC(国立気候データセンター)が発表したデータによると、最高気温が1930〜40年台に記録され、その後「下がりながらの上下動」から、「100年に1℃の気温上昇」に修正されました。ニュージーランドの気象庁がNCDCに提出した気温データも「100年におよそ0.1℃台の上昇」が、「100年に約1℃の上昇」に改ざんされました。これらがすべてIPCCに送られています。IPCCは2021年度の第六次報告書で、過去30年間の温度上昇はおよそ0.6℃と報告しています。それはこれらの改ざんの結果です。地球温暖化を捏造して金儲けをしたい人たちがいます。いい加減なIPCCのデータを使って、サンマの太さを測定する研究者は、わかってやっているのでしょう。研究者の価値は論文の質と量で決まりますが、補助金(科研費)がなければ研究できません。数千万〜数億もの大金を目の前にぶら下げられれば、だれでも飛びついてしまいます。無駄な研究とわかっていても、時代の最先端を走っていると自分に言い聞かせて、しかたなく研究しているに違いありません。気候変動・脱炭素の「ウソ」を捏造したのは、WHO・IPCC・環境保護団体・政治・経済学者です。その圧力に研究者は従わざるを得ないのですが、かわいそうで仕方ありません。せめて、将来を担う子供たちが子ぶりな「サンマ」にならないように祈るしかありません。

 


2023.11.8. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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