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脱炭素狂騒曲 その37 真珠の首飾り


 東京から約1200km、インド南端から南西に約600km。約1200のサンゴ礁の島々からなるモルディブは、その形から、インド洋の「真珠の首飾り」と呼ばれています。面積は300平方キロメートルで、東京都の約半分です。51万5,132人(2022年)の人口のうち、外国人が13万2,493人で25.7%を占めます。全人口の41.1%に当たる21万T.908人が首都のマレに住んでいます。世界有数のビーチリゾートで知られており、2022年度の観光客数は168万人です。国土の80%が海抜1m未満で、地球温暖化による海面上昇の影響を最も受ける国の一つといわれています。ここで今、世界で初めての「浮かぶ都市」計画が進んでいます。サンゴ礁の内側にあるラグーン(礁湖)に、家々が立つ巨大ないかだのような基盤を浮かべ、ひだ状につなげます。都市全体が巨大な船のように浮かんでいるため、従来の埋め立て工事のように環境や生態系を破壊せず、海面上昇にも影響されないという。1万3000戸、約4万人の住まいになる予定です。今年5月に着工し、2028年までにまず5000戸の完成をめざしています。建設が予定されているのは、マレからボートで10分ほどの、緩やかな円を描く環礁に囲まれた約2平方キロメートルのラグーンです。まず、浅い環礁の一部を埋め立て、浮かぶ都市を守る外周の島を作ります。埋め立ては部分的で、海流が妨げられないように計算されています。次にラグーン内に数本の柱を建て、基盤が流されないように係留します。一つの基盤に十数棟の住居や店舗を建て、電気や上下水道も通します。自転車や水上バスが住民の足となり、太陽光や海流を使ったゼロカーボンの都市をめざしています。この計画にどれだけの費用が掛かるか想像もできませんが、これはモルディブの経済状態をみるとよくわかります。モルディブは2004年のスマトラ島沖地震や2009年の世界金融危機、2019〜2021年の新型コロナウイルス感染症流行を乗り越えてきました。例えば、コロナ禍の2020年の実質GDP成長率はマイナス33.4%を記録しました。しかし、外国人観光客の受け入れを早期に再開したこともあり、2021年に実質GDP成長率は41.7%。わずか1年という短期間で経済が回復しました。2022年も実質成長率は12.3%です。IMFの基準では、2022年の一人当たりのGDPは1万7,630ドル(世界平均の約2倍)です。物価は安定しており、年間平均物価上昇率は2.6%です。モルディブの国土は南北に広がり、北端と南端の距離は871kmにも及び、航空機での移動がかかせません。中部フルレ島にある国内最大のペラナ国際空港は、2025年までに、新たに750万人の旅客に対応できるように拡張工事が進んでいます。これらのインフラを進めているのが、「インベスト・モルディブ」を中心とした積極的な海外からの投資です。それに見合うだけの魅力がこの国にあるからです。「2023年は観測史上最も暑い年だった。地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰の時代が来た。熱波や豪雨などの異常気象が頻発し、海面上昇の脅威も現実味を増している。」と、国連のグテーレス事務総長は警鐘を鳴らしました。アル・ゴアは2006年の映画「不都合な真実」で、氷床崩壊により過去数十年間で海面が3m上昇した、と述べています。しかし、海抜1mにも満たないモルディブは沈むどころか、面積は拡大しています。南大平洋の島々もそうですが、サンゴ礁の島はサンゴが繁殖してできた島なので、たとえ海面が上昇しても、面積が減ることはありません。南極の氷床コアが地球温暖化と二酸化炭素CO2は関係ないことを証明しました。地球が温暖化している、脱炭素が地球を救うと考えている科学者は、現在一人もいません。言い出した国連事務局が、後戻りできないまでに、世界の投資家を巻き込んでしまいました。モルディブにとっては「してやったり」といった思いでしょう。

 


2024.3.11. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友

 

 

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