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脱炭素狂騒曲 その51 アンソロピック
米グーグルが人工知能(AI)新興の米アンソロピックに最大400億ドル((約6兆3800億円)を追加出資することを決めました。米アマゾン・ドット・コムも最大250億ドルの出資を決めました。アンソロピック(Anthropic)はAI(人工知能)を開発しているアメリカの企業で、2021年に設立されました。これまでChatGTPやジェミニ(OpenAI)などがありましたが、アンソロピックの強みは、なんといってもClaude(クロード)で、ChatGTPのように会話・質疑応答・文章作成ができる、長い文章の読解や要約、コード生成や分析ができるのは当然ですが、AIの安全性・倫理性(AI safety)を重視、「人間にとって望ましいふるまいをするAI」の研究を目指しています。それはAIが守るべきルールをあらかじめ与えて調整する仕組みを作ることで、単に賢いだけでなく、「暴走しにくいAI」を目標に開発されています。特徴としては、安全性重視;有害な内容や危険な指示を避ける設計、自然で丁寧な内容;人間っぽく読みやすい回答をする傾向、長文処理が速い;本や論文レベルの長いテキストも扱える、などの特徴があります。ヒトが情報を収集し、分析して結論を出す行為を、わずか数秒でするのですから、現在行われているロボット開発の頭脳部分に応用されます。ヒトは会話する時、相手の顔をみながら、本当のことを言っているのか、ウソを言っているのか考えます。「X」ではフェイクニースが後を絶ちません。アンソロピックのAIを搭載したロボットはそれを瞬時に見破って、物腰柔らかに対話をします。サイバーテロも瞬時に見破ってしまいます。まるで「仏の領域」に達したAIです。AIはヒトの仕事にも影響し、現在企業の人員削減や採用抑制の対象になっています。影響を受けやすい仕事としては、「パターン化できる仕事」です。具体的には、一般事務・データの入力、コールセンター、単純な翻訳、プログラミングなどです。実際GAFA全体で、2023年以降、四半期ごとに2〜3万人のリストラが行われています。逆に伸びる職業もあります。医療・介護(対人判断が必要)、研究・高度専門職(裁判官は除く)、クリエイティブ(企画・戦略レベル)、AIを使いこなす職種(AI活用人材)などです。ただ、問題がないわけではありません。現在、イラン戦争で石油の備蓄が危機にありますが、アンソロピックのグーグルに使うデータセンターの電力容量は5ギガ(ギガは10億)ワット分で、これは原発5基分に相当します。柏崎刈羽原発6号機が再稼働しましたが、1年間フル稼働しても、せいぜい一般家庭約45〜50万世帯分しかありません。データセンターはヒトの仕事を奪うだけでなく、家庭の電力をも奪ってしまいます。日本でデータセンターを作ることができないのは、自前の電力を作る天然資源が足りないからです。したがって、AIの開発はアメリカに頼ることしかできません。アメリカは自前で石油、LNPがありますので、自由にAI戦略を描くことができます。太陽の寿命は約100億年で、地球は誕生から約46億年です。いずれ太陽の寿命は尽きてしまいます。すべてのエネルギーは太陽光と水でてきています。138億年前の宇宙のビックバン以降、宇宙のエネルギー総量は一定です。再生可能エネルギーと言っても、原発、水力、風力、太陽光パネルなどは、すべて太陽光と水によるエネルギーが姿を変えただけ(熱力学 第2法則;脱炭素狂騒曲 その32 マッチ売りの少女)で、もとは同じで、姿を変える(エントロピー増大)ために一番安価な化石資源を大量に使っているだけです。文明の利器は、発見すると使わざるを得ないのが人間の嵯峨(吉本 隆明)ですが、このまま無策に進んでいくと、いずれ太陽がなくなる前に文明は崩壊してしまうでしょう。現在、世界中の技術者がAI開発にしのぎを削っていますが、自分で自分の首を絞めているようなもので、AIを使う前に、スマホの電源が入らなくなる時代が来るかもしれません。
2026.4.27. 氷川台内科クリニック 院長 櫻田 二友
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